学校事務に求められるスキル - 適性チェックリスト付き
マイナビキャリレーション編集部「自分は学校事務に向いている?」と疑問に思ったら、このページをチェックしてみましょう。学校事務という仕事への向き・不向きを判断するためのチェックリストを用意してあるほか、学校事務に求められるスキルレベルまで、詳しく解説しています。読み進めていくだけで、自分が学校事務という仕事に対する適性を持っているかどうかを把握できるでしょう。また、ワンランク上の学校事務として活躍するために心がけるべき点についても紹介しています。
目次
自分は学校事務に向いている?適性チェックリスト
まずは、学校事務という仕事に自分が向いているかどうかをチェックしてみましょう。下に、学校事務という仕事に対する適性があるかどうかを判断するための、8つのチェックポイントを挙げました。あくまで代表的な項目ではありますが、自分がどれだけ当てはまるかを確認してみてください。当てはまる項目が多いほど、学校事務に向いていて、学校事務という仕事にやりがいやメリットを感じられるはずです。
学校事務の適性チェックリスト
- 教育に携わる仕事をしたい
- 他人が成長していく姿を見ることが好き
- 他人の悩みに対して真摯に対応できる
- 広報・PRに関連する業務を経験したい
- オフィスワークに関する幅広いスキルを身に付けたい
- 人前で目立つよりも裏方として働くのが好き
- 仕事だけでなくプライベートも大切にしたい
- 結婚しても長く仕事を続けていきたい
学校事務が、他の事務職と大きく異なるのは職場が小中学校、高等学校、大学、専門学校といった教育機関であることです。仕事上で接する人は、教職員、生徒・学生、そしてその保護者になることが多いでしょう。これらの人たちに共通するのは、教育という共通の目的を持って、学校で働いていたり、学校に通っていたり、訪れたりしているということ。お金のためと割り切って仕事をしていると、周囲の人たちと良好な関係を築けない可能性があります。「教育に携わる仕事をしたい」という意思があったほうが、同僚とのチームワークが良くなり、生徒や学生、保護者からの信頼も得やすくなるでしょう。
直接、生徒や学生に授業をする立場ではないものの、裏方として教育現場を支えていくのが学校事務の仕事です。授業の準備や学校行事などでは、生徒や学生と触れ合うこともあります。特に小中学校で学校事務の仕事をすると、子供たちがたくましく成長していく姿を目の当たりにすることも少なくありません。「他人が成長していく姿を見ることが好き」という気持ちを持っている人にも学校事務という仕事は向いています。
勤め先の学校の規模や配属された部署によっても異なりますが、学生や保護者からの相談対応業務を任されることもあります。相談内容は多岐にわたり、アルバイト先探しや部屋探しの相談といったものから、ときには「学費が支払えなくなりやむを得ず自主退学を考えている」「いじめにあっている」といった非常に繊細な問題に接することもあります。「他人の悩みに対して真摯に対応できる」感性を持っていると、生徒や学生のサポーターとして活躍できるでしょう。
自分の対応によって学生や保護者の悩みが解決したときには、教育の現場に携わっているのだという強い実感を得ることができます。たとえバックオフィス業務であったとしても、生徒や学生の成長を支援する役割を担っているという自覚を持って働くことが、学校事務の仕事にやりがいを感じ、長く活躍し続けるための秘訣といえるかもしれません。
また、学校事務の仕事に就くと、ポスター作成や学校見学会の運営、Webサイト運用などの生徒募集に関する業務を任されることもあります。「広報・PRに関連する業務を経験したい」と考えている人にとっても向いているのではないでしょうか。
ここまでは、職場という側面にフォーカスして、学校事務への適性について紹介してきましたが、実は学校事務は、「オフィスワークに関する幅広いスキルを身に付けたい」と考えている人にも向いている職種です。中小規模の学校では、少人数の学校事務職員が、備品の発注や管理といった総務的な仕事から、教職員の給与計算、勤怠管理などの人事的な仕事、予算策定、経費精算といった経理の仕事まで、一手に引き受けているのが一般的です。仕事を通じて幅広い分野の事務スキルを身に付けることができるでしょう。
ただし、自分の頑張りが明確な成果としてあらわれない、単調な作業が続きがちといった、事務職の特有のマイナス要素もオフィスで働く場合と同様です。学校事務は、生徒・学生という人間を相手にする仕事なので、より成果が明確になりづらいかもしれません。「人前で目立つよりも裏方として働くのが好き」という人のほうが、学校事務には向いているはずです。
そのほか、学校事務は残業が少ないという特徴を持っており、「仕事だけでなくプライベートも大切にしたい」人にとってはうってつけの職種といえます。家事や育児との両立もさほど困難ではないため、「結婚しても長く仕事を続けていきたい」と考えている人にもぴったりの仕事です。
学校事務として活躍するために必要なスキルレベル
続いては、学校事務として働いていくために必要なスキルについて紹介していきます。あらゆる事務職において重要視されている「コミュニケーションスキル」「PCスキル」「作業の正確性・スピード」「スケジュール管理能力」「臨機応変な対応」という5つのスキルについて、学校事務にはどの程度のレベルが求められているのかをグラフ化しました。レベルは1〜5の5段階評価で、3を事務職としての平均レベルとしています。数字が大きくなるほど高いレベルが求められると考えてください。
コミュニケーションスキル【求められるスキルレベル:4】
学校事務の仕事のひとつに窓口業務があります。これは、生徒・学生、保護者が学校の事務所に訪れたときに申請や相談を受け付ける仕事。事前の約束がある場合や、相談の内容によっては、窓口ではなく、応接室などで対応するケースも考えられます。このときに注意しなければならないのは、一般的な事務職と違い、相手が多種多様な願望や不満を持った、個人であるということ。ひとりひとりの年齢、属性、性格に合わせて、適切なコミュニケーション手法を模索しなければならないのです。
相手が生徒や学生の場合、物事を整理し、筋道立てて説明することが上手ではないかもしれません。そんなときでも、相手の意向をくみ取り、的確な回答をするのが学校事務の仕事です。また近年は、モンスターペアレントと呼ばれる保護者が話題になっています。学校事務として働く以上、保護者から理不尽な要求を突き付けられることがないとは言い切れません。保護者の不満を受け入れつつ、前向きな解決策へと導いていける交渉力があると、学校内で重宝されることでしょう。
もちろん、教職員や他の部署の職員との連携も、学校事務の仕事をスムーズに進めるためには欠かせないスキルです。モンスターペアレントの例は極端なものですが、さまざまな人がまったく異なった願望を持って学校を訪れるのは事実です。学校事務には比較的、高いコミュニケーションスキルが求められると覚えておきましょう。
PCスキル【求められるスキルレベル:4】
学校事務の主要業務のひとつである、学内外向けの書類作成や経理処理、労務管理は、基本的にすべてPCを用いて行われています。特に多用されるのはExcel(エクセル)です。学校事務の求人情報には、必要なスキルとしてExcel(エクセル)が明記されていることが多いほか、面接でExcel(エクセル)操作についてのスキルレベルをたずねられることもあるようです。基本的な関数の使い方はマスターしておいたほうがいいでしょう。採用時に良い評価を受けやすくなるほか、新しい職場での仕事をスムーズに始められるはずです。
そのほか、給与計算や経理処理に専用のソフトを導入している学校もあります。難しい操作を求められることはほぼありませんが、自分でマニュアルを確認しながら操作を行える程度のPCスキルがあると望ましいでしょう。また、生徒・学生募集や広報の業務に携わる場合には、資料の簡単なデザインや、Webサイトの更新業務を担当することも考えられます。一般的な事務職に比べて、幅広い分野のPCスキルが必要になる場合があると考えておいたほうが安心です。
作業の正確性・スピード【求められるスキルレベル:3】
作業の正確性・スピードに関しては、標準的な事務職と同等のスキルがあれば、十分に学校事務の仕事もこなすことができるはずです。とはいえ、事務職という仕事自体に、高いレベルの作業の正確性・スピードが求められていることは確かです。入力ミス、計算ミスがないかを逐一確認し、間違いのない書類を締切りまでに作成できることは最低条件といえます。
ミスの許されない仕事をする際は、いかに集中できる環境を作り上げられるかが大切です。学校事務として働いている人の中には、始業前に出勤し、静かな環境で仕事をしていたり、この時間は問い合わせに対応しないと決めて机に向かうなどといった工夫をしている人もいます。自分なりの集中法を見つけて仕事をするのも、ミスを減らし、仕事をスピーディにこなすためのポイントです。
スケジュール管理能力【求められるスキルレベル:4】
学校事務として働くと比較的、高いレベルのスケジュール管理能力が求められると覚えておきましょう。中小規模の学校に勤める場合、一般企業でいうところの、総務事務、経理事務、人事事務の仕事を兼任することになるのが一般的です。学校で扱う書類や手続きのすべてを、学校事務が取り仕切っているといっても過言ではないかもしれません。担当する業務の幅が広い分、計画立てて効率よく業務を処理するスキルは必須といえます。
また、労務管理や経理処理に必要となる書類は、多くの場合、教職員や他の職員から提出してもらうことになります。しかし、教職員は授業や生徒、学生への対応に集中するあまり、提出期限を忘れてしまうことも多いようです。自分の業務をスムーズに遂行するには、自分だけでなく、同僚の仕事の進捗状況なども把握して、声掛けをするなどの工夫が大切です。
臨機応変な対応【求められるスキルレベル:3】
学校事務の仕事において、臨機応変な対応を求められるケースは、さほど多くはないでしょう。決められた業務を正確かつスピーディにこなすスキルが基本となります。ただし、生徒・学生、保護者とのコミュニケーションに関してはまったく別の話。前述したように、ひとりひとりの要望に合わせて最適な対応法を選択する能力が求められます。
ワンランク上の学校事務になるために実践すべきこと
ここまで解説してきた内容は、あくまで、学校事務として活躍し続けるための最低限の適性やスキルです。学校事務という仕事は、自分の心がけ次第でもっとやりがいのある、素敵な仕事に変貌を遂げるのです。最後にワンランク上の学校事務へとステップアップするための具体的な方法を紹介します。
主体性を持って動けば学校が変わる可能性がある
学校事務の主な仕事は、裏方として教員や生徒・学生、保護者をサポートすることです。目立たない地味な仕事に見えるかもしれません。しかし、裏方だからこそできる大きな仕事があるのです。その代表例が学校内の制度改革。具体的な例を挙げると、ある大学では学校事務の主体的な提案によって、奨学金制度が学生に有利な形へと大きく変わりました。
教育は、先生と生徒、教授と学生だけのものではありません。たとえ裏方であったとしても、積極的な働きかけによって、教育の現場に新しい風を吹かせることができるのです。学校事務の仕事に就いたあと、もし校内に課題を発見したなら、自分から手を挙げて改善策を提案・実施してみましょう。自分の頑張りが、生徒や学生、教職員の笑顔と感謝となって返ってくるはずです。
資格取得やスキルアップに積極的にチャレンジする
学校事務の仕事は残業が少ないという特徴を持っています。休日出勤もほぼありません。もし、時間に余裕があるのなら、自身のスキルアップのために時間を使ってみましょう。例えば、学校事務の仕事のひとつとなっている経理処理の経験は、簿記の資格取得に役立ってくれるはずです。また、労務管理の仕事は社会保険労務士の資格を取るための勉強になっています。これらの資格を仕事に活かすことができれば、誰からも頼られる学校事務員になることも夢ではありません。
キャリアアドバイザーから一言コメント
このページを読んで、「自分は学校事務の仕事ができるのだろうか?」と不安になってしまった人もいるかもしれません。特に接客業や販売業の経験しかない人にとってはPCスキルが高いハードルに感じられてしまうようです。しかし、心配はいりません。マイナビキャリレーションなら、採用後にExcel(エクセル)やWord(ワード)の研修を、みっちりと2日間受講することができます。この研修だけで、学校事務として働けるだけのPCスキルはしっかりと身に付くはずです。
むしろ、販売業、接客業の経験が、来客対応時のコミュニケーションに活きて即戦力として活躍できるかもしれません。教育現場で働きたい、オフィスワークにチャレンジしたいという想いが少しでもあるなら、まずは、マイナビキャリレーションに応募してみてください。