Excelの「データの入力規則」機能の使い方 ‐ 事務職・オフィスワークで使うExcel実践編 ‐

Excel(エクセル)を使って仕事をするときには、セルへのデータの入力方法・記載方法を一定のルールに基づいて統一することが非常に重要です。入力方法・記載方法がバラバラだと、集計がうまくいかなかったり、管理が煩雑になったりして、業務に支障が出てしまいます。そこで役に立つのが「データの入力規則」という機能です。このページでは、データの入力規則機能の基本的な操作方法を解説するほか、データの入力規則機能を実際に使って練習できるサンプルファイルをダウンロードできます。
※本ページのExcelの画面は「Microsoft Office 365 ProPlus」のものです。ほかのバージョンでは操作画面が異なることがあります。あらかじめご了承ください。
Excelサンプルファイルのダウンロード
このページ内の「データの入力規則でセルへの入力方法をリスト選択式にしてみよう」の章で使用する表のExcelファイルを下記よりダウンロードできます。手元にExcelが使えるPCがあればこのファイルを参考に操作してみてください。
目次
- データの入力規則機能とはどんなもの?
- データをリストからの選択式で入力できるようにする
- データの入力規則機能は「データ」タブから利用する
- データの入力規則でセルへの入力方法をリスト選択式にしてみよう
- STEP1|データの入力規則を設定したいセルを選択
- STEP2|入力規則の種類を選択
- STEP3|データ入力時の選択肢となるリストを指定
- データの入力規則で入力可能なデータの種類や内容を制限する
- STEP1|データの入力規則を設定したいセルを選択
- STEP2|入力規則の種類を選択
- STEP3|入力できるようにする整数の範囲を指定
- 設定した種類・内容以外のデータが入力されるとエラーが表示される
- データの入力規則を解除するには
- データの入力規則機能で正しく、使いやすいファイルを作成しよう
データの入力規則機能とはどんなもの?

事務職・オフィスワークの仕事をしていると、1つのExcelファイルを複数の人で編集・管理する機会が多々あります。そんなときに問題になりがちなのが、記載方法のばらつき。同じものを指しているにもかかわらず、違う言葉で入力されていると、フィルターや集計が不正確になってしまうからです。
たとえば、「オレンジジュース」の売上を集計したいのに、人によって「オレンジジュース」「オレンジ」「Orange」などと、異なった言葉で入力していると、Excelは別のものと認識してしまうため、「オレンジジュース」全体の売上を集計することができなくなってしまいます。
Excelファイルを複数の人が編集・管理する際には、データの入力ルールを徹底することが大切。そこで役に立つのが、「データの入力規則」機能です。データの入力規則機能を利用すると、セルへの入力方法をリスト選択式にしたり、ルールから外れているデータを入力できなくしたりすることが可能になります。誰もが正しいルールでセルにデータを入力できるようになるのです。
データをリストからの選択式で入力できるようにする
下の図は、アパレル企業の店舗の在庫管理表をイメージしたものです。データの入力規則機能を利用して、商品名の欄をリスト選択式にすることにより、このファイルを扱うすべての人が統一されたルールで入力できるようになっています。

商品リストに記載のないデータを入力しようとするとエラーが表示されます。

データの入力規則機能は「データ」タブから利用する
データの入力規則機能はExcelにはじめから搭載されている機能です。「データ」タブを開くと、データの入力規則機能を操作するためのメニューが表示されます。実践する前に覚えておきましょう。

データの入力規則でセルへの入力方法をリスト選択式にしてみよう

それでは実際にデータの入力規則機能を使用してみましょう。まずは、セルへの入力方法をリスト選択式にする方法を紹介します。ここでは、上で紹介した在庫管理表のサンプルを使用します。

Excelサンプルファイルのダウンロード
STEP1|データの入力規則を設定したいセルを選択
データの入力規則を設定したい商品名の欄のセル(「B4」から「B18」セル)をドラッグして選択します。

STEP2|入力規則の種類を選択
セルを選択した状態で、「データ」タブを開き、「データの入力規則」→「データの入力規則」の順でクリックします。

すると、「データの入力規則」ダイアログが開くので、「入力値の種類」のプルダウンから「リスト」を選択して、「OK」ボタンをクリックしましょう。

STEP3|データ入力時の選択肢となるリストを指定
リストを選択すると、「データの入力規則」ダイアログの表示が切り替わり、「元の値」という入力欄が表示されます。「元の値」欄をクリックしたあとに、データ入力時の選択肢となる商品リストの商品名のセル(「H5」セルから「H14」セル)をドラッグして選択します。
選択した後、「元の値」欄に「=$H$5:$H$14」と入力されていることと、「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認して、「OK」ボタンをクリックしましょう。

商品名の欄のセルを選択すると、プルダウンボタン「▼」が表示されるようになります。プルダウンボタンをクリックすると、選択肢が表示され、入力するデータを選択することができます。入力できるようにする整数の範囲を指定

選択肢を直接指定することも可能
上の説明では、すでにある元の値のデータを使って、リスト選択式にする方法を解説しましたが、選択肢が少ない場合は、入力するデータを直接指定することもできます。
操作もいたって簡単で、「データの入力規則」ダイアログで、「リスト」を選択したあとに、「元の値」の欄に「,(半角カンマ)」で区切って選択肢となる文字や記号を入力すればOK。

データの入力規則で入力可能なデータの種類や内容を制限する

続いて、データの入力規則機能を利用して、セルに入力できるデータの種類や内容を制限する方法を紹介しましょう。ここまでサンプルとして利用してきた、在庫管理表の「在庫数」の欄に、「0から50までの整数」しか、入力できないようにしてみます。
ここでは、入力できるデータの種類として「整数」を選択していますが、「日付」「時刻」「文字列(長さ指定)」なども選ぶことができます。

STEP1|データの入力規則を設定したいセルを選択
データの入力規則を設定したい商品名の欄のセル(「C4」から「C18」セル)をドラッグして選択します。

STEP2|入力規則の種類を選択
セルを選択した状態で、「データ」タブを開き、「データの入力規則」→「データの入力規則」の順でクリックします。

すると、「データの入力規則」ダイアログが開くので、「入力値の種類」のプルダウンから「整数」を選択します。

STEP3|入力できるようにする整数の範囲を指定
整数を選択すると、「データの入力規則」ダイアログの表示が切り替わり、「最小値」「最大値」という入力欄が表示されます。ここでは「0から50までの整数」だけを入力できるようにしたいので、「最小値」に「0」を、「最大値」に「50」を入力しましょう。最後に「OK」ボタンをクリックします。

設定した種類・内容以外のデータが入力されるとエラーが表示される
設定した入力規則である「0から50までの整数」以外のデータを入力しようとすると、エラーが表示されるようになりました。

データの入力規則を解除するには
設定したデータの入力規則は簡単な操作で解除することができます。仕事を進めるうえで、入力規則が不要になったり、修正が必要になったりすることはよくあります。解除方法も覚えておきましょう。ここでは、商品名の欄に設定されているデータの入力規則を解除してみます。
データの入力規則を解除したいセルを選択
解除したいデータの入力規則が設定されているセルである、「B4」セルから「B18」セルをドラッグして選択します。

「データ」タブから「データの入力規則」を開く
セルを選択した状態で、「データ」タブを開き、「データの入力規則」→「データの入力規則」の順でクリックします。

選択したセルのデータの入力規則を解除する
すると、「データの入力規則」ダイアログが開くので、「すべてクリア」ボタンをクリックしたあとに、「OK」ボタンをクリックしましょう。これでデータの入力規則の解除は完了です。

データの入力規則機能で正しく、使いやすいファイルを作成しよう
事務職・オフィスワークの仕事には、高い正確性と効率性が求められます。複数の人間が扱うExcelファイルを編集・管理する際には、データの入力規則機能の利用が必要不可欠と言えるでしょう。実務に入ると、多くのExcelファイルでデータの入力規則が設定されているセルを見かけるはずです。
このページの説明で使用したExcelファイルは下記のリンクからダウンロードできます。Excelを持っている人は、ダウンロードし、このページで説明した操作をそのまま実践してみてください。入社初日から役に立つケースも多いので、事前に練習・理解しておくことをおすすめします。
Excelサンプルファイルのダウンロード
このページ内の「データの入力規則でセルへの入力方法をリスト選択式にしてみよう」の章で使用する表のExcelファイルを下記よりダウンロードできます。手元にExcelが使えるPCがあればこのファイルを参考に操作してみてください。