総務事務に求められるスキル - 適性チェックリスト付き
マイナビキャリレーション編集部このページでは、総務事務の仕事をするうえで必要なスキルと適性を、理由や事例を交えながら詳しく紹介しています。「総務や総務事務の仕事に興味はあるけど、自分に向いているのかな?」と思っている人はすぐにチェックしてみましょう。オフィスワーク未経験でもPCスキルに自信がなくてもチャレンジできる職種であることがきっとわかるはずです。
目次
自分は総務事務に向いている?適性チェックリスト
まずは、自分の性格や仕事に対する考え方が、総務事務という仕事に向いているのかをチェックしてみましょう。総務事務として活躍できるかどうかを判断できる代表的なチェックポイントを8つ挙げてみました。当てはまる項目が多いほど、総務事務という仕事にやりがいと魅力を感じ、イキイキと働くことができるでしょう。8つの項目を挙げた理由もしっかりと解説していきます。
総務事務の適性チェックリスト
- 他人のために働くことに喜びを感じる
- 人前で目立つよりも裏方として働くのが好き
- 几帳面で細かなところにもよく気が付く
- ルールが曖昧な事柄にも対応できる
- オフィスワークの経験をしたことがない
- オフィスワークに関する幅広いスキルを身に付けたい
- 仕事だけでなくプライベートも大切にしたい
- 結婚しても長く仕事を続けていきたい
総務事務の代表的な仕事に「備品の管理・発注」「オフィス・施設の管理」というものがあります。ボールペンやクリップ、クリアファイル、名刺などを他の社員の依頼に応じて補充・発注したり、照明や空調、プリンターといった設備の不具合に対応したりする仕事です。これらの仕事は他の社員が、専門業務をスムーズに遂行できるようにすることが目的。地味な仕事ではありますが、備品が不足したり、設備に不具合が生じたりすると、会社全体の業務が滞ってしまうこともあり、会社を運営するうえで欠かすことはできません。総務事務は、まさに「縁の下の力持ち」といえます。
そのため、総務事務の仕事で活躍し続けるためには、「他人のために働くことに喜びを感じる」「人前で目立つよりも裏方として働くのが好き」という気持ちを持っていることが大切です。身近な人に感謝されることがモチベーションにつながる人が総務事務という仕事に向いていると考えていいでしょう。逆に「わかりやすい成果を出して、多くの人から評価を受けたい」という気持ちが強い人には、あまり向いていないかもしれません。
ただし、他の社員の依頼に応じて、備品の発注や設備の不具合への対応を行っていればいいかというと、それだけでは不十分です。むしろ、他の社員が気付かないうちに、つまり他の社員の業務に支障をきたす前に処理をできていたほうが、会社や他の社員への貢献度は高いといえます。だからこそ、「几帳面で細かなところにもよく気が付く」性格の人は、総務事務として働きやすいはず。自分の業務を他の社員に意識させず、サポートを続けていくことが、縁の下の力持ちである総務事務の真骨頂といえるのです。
また、総務事務が所属することになる総務部は、他の部署が担当しない、もしくは他の部署に割り振ることができない仕事を担当するという側面があります。その代表例が、社内イベントの企画・運営や、取引先や社員の冠婚葬祭への対応です。こういった業務は定期的に発生するものではないので、会社内でのルールが決まっていないことも多々あります。「イベントの運営や企画が得意」で大勢の人のスケジュール調整や行動の管理ができたり、「ルールが曖昧な事柄にも対応できる」臨機応変さが求められるでしょう。
ここまでの内容を見ると、「総務事務ってあまり魅力的な仕事ではないのかな?」と思ってしまうかもしれません。しかしそれは大きな勘違い。「オフィスワークの経験がない人」「オフィスワークに関する幅広いスキルを身に付けたい人」にとってはうってつけの職種なのです。総務事務の仕事には専門的な資格やスキル・知識は基本的に必要ありません。最低限のPCスキルさえあれば、業務をこなしながら仕事を覚えていくことが可能でしょう。オフィスワークの入門編として選ぶなら最適な仕事といえます。
さらに良い点は、幅広い分野のオフィスワークを経験できる可能性があることです。中小規模の会社では総務部という独立した部署を持たずに、法務総務、人事総務、経理総務など、他の専門的な部署と統合する形で組織運営をしている場合が多々あります。このような環境で働くことができれば、法律や人事/労務、経理についての専門的な知識、スキルを身に付けることが可能。将来のキャリアの選択肢を大幅に広げることができます。
そのほか事務職ならではのメリットも少なくありません。その代表的な例が、他の職種に比べて残業が少ないことです。緊急の仕事が発生しない限り、自分の仕事のスケジュールは自分でコントロールできます。有給休暇も取りやすいはずです。ワークライフバランスの実現がしやすいので、「仕事だけでなくプライベートも大切にしたい」「結婚しても長く仕事を続けていきたい」と考えている人にも向いている仕事といえそうです。
総務事務として活躍するために必要なスキルレベル
続いては、総務事務として働いていくために必要な一般的なスキルについて紹介します。あらゆる事務職で求められている「コミュニケーションスキル」「PCスキル」「作業の正確性・スピード」「スケジュール管理能力」「臨機応変な対応」という5つのスキルについて、総務事務にはどの程度のレベルが求められているのかをグラフ化しました。レベルは1〜5の5段階評価で、3を事務職としての平均レベルとしています。数字が大きくなるほど高いレベルが求められると考えてください。
コミュニケーションスキル【求められるスキルレベル:4】
総務事務の特性として、外部からのさまざまな問い合わせに対応しなければならないという点が挙げられます。会社の代表電話番号や問い合わせのメールアドレスが総務部につながっていることが多く、その対応は総務事務の仕事になることが多いからです。とはいえ、専門的な内容は各担当部署に取り次ぐことになりますし、自分自身で処理しなければならないケースは少ないでしょう。問い合わせの内容を正確に把握し、担当者に伝達するスキルがあれば、大きな問題は起きないはずです。
そのほかの仕事は、基本的には社内の人とのコミュニケーションが主体となります。備品の発注依頼や設備の不具合への対応、書類の作成といった業務は、依頼者と顔を合わせてやり取りができるので、難しいコミュニケーションは発生しないはず。ただし、依頼の緊急度によっては、そのときに進めている仕事をストップして対応しなければならないことも。そんなときに嫌な顔をしたり、「なぜ前もって連絡してくれないの?」といった態度を見せてしまったりするのはNGです。
不可能なものははっきりとできないと答えるべきですが、自分の工夫次第で実現できる依頼であれば、快く対応するように心がけるのが、総務事務としての評価を高めるポイントです。総務事務は他の社員の仕事をサポートする縁の下の力持ち。「あの人に頼めば大丈夫」という信頼関係を築くことが、自分自身の存在価値を高め、働きやすい環境を築くための必須スキル・必須条件です。
PCスキル【求められるスキルレベル:3】
総務事務の仕事には、さまざまな書類作成業務が発生します。外部からの問い合わせに対してメールで回答しなければならないことも多いはずです。そこで重要になるのがPCスキル。Excel(エクセル)、Word(ワード)というソフトを頻繁に使用することになるので、基本的な操作がこなせることが最低条件となります。特に売上管理や経理の仕事に携わる場合はExcel(エクセル)の操作に関するスキルが必要不可欠です。初歩的な関数の使い方は理解しておいたほうが、スムーズに業務をこなすことができるでしょう。
ただし、スキルレベルによっては、入社直後から難しい書類の作成を任されないこともあります。まずは、会社に用意されているフォーマットに、ルールに従ってデータを入力するような仕事からスタートする場合も。基本的な操作を理解しておくことはもちろんですが、大切なのは、仕事をしながらでも自学自習でスキルアップを図るという気持ちで業務に臨むことです。
人事や経理の仕事を兼務する場合は、経理専用のソフトや勤怠管理ソフトを扱わなければならないこともありますが、こちらもルール通りにデータを入力するだけで仕事が進められるように業務設計されているのが一般的です。わからないことは先輩に聞く、マニュアルを見て自分で調べるという姿勢を持っていれば、十分に対応できます。
作業の正確性・スピード【求められるスキルレベル:3】
総務事務だからといって、特に作業の正確性・スピードが求められるということはありません。平均的な事務職としての水準スキルを維持できれば、業務上の問題が発生することはないでしょう。注意が必要なのは、平均的な事務職としての水準自体が、実は非常に高いレベルにあるということです。事務職の主要な仕事は書類の作成や確認です。書類は、社内外で起きている出来事を正確に記録し、保存するためのもの。記載内容に誤りや漏れがあっては意味がありません。書類の作成や確認を担当する事務職には、当然、高いレベルの作業の正確性・スピードが求められるのです。
また、総務事務では、「瞬発力」という意味での作業のスピードが大切であることを覚えておきましょう。備品の発注や設備の不具合への対応、冠婚葬祭への対応などは、決まった日時、決まった頻度で発生するわけではないからです。イレギュラーな依頼に対しても即時対応ができる腰の軽さが必要です。
スケジュール管理能力【求められるスキルレベル:3】
総務事務には、自分が請け負った仕事を、締め切りまでに確実に終わらせるためのスケジュール管理能力が必要になります。といっても、これは社会人としては当然のスキル。特に高いレベルが求められるわけではありません。前述のとおり、迅速に対応しなければならない業務が突然に発生することも多いので、余裕を持ってスケジュールを立てるのがポイントといえます。
ただし、人事や経理の仕事も兼務する場合は事情が異なります。これらの仕事は、他の社員からの書類の提出や申請を必要とする業務が多いからです。自分の作業スケジュールだけでなく、他の社員の作業状況もコントロールする必要があります。特に営業職の社員はお客様への対応に注力するあまり、社内向けの業務がおろそかになるケースが多々あります。タイミングを見て、声掛けをするなどの工夫をしないと、書類の提出や申請が遅れがちなになるので注意しましょう。
臨機応変な対応【求められるスキルレベル:5】
総務事務には高いレベルの臨機応変な対応が必要になると考えられます。総務部門には他の部署が担当していない、多種多様な仕事が舞い込んできます。そのような仕事は、対応するための社内ルールが明確になっていないケースが多いため、自分自身で適切な対応方法を考えなければならない場合が多々あるのです。
わかりやすい例としてオフィス移転業務を挙げておきましょう。オフィスは頻繁に移転するものではないため、引越しの手順や流れを決めている会社はほぼありません。しかし、オフィス移転には、社員が使うデスクやPCの運送・配置、会社所在地の変更手続き、取引先に対する移転案内、業務がストップしてしまう日時の調整など、実にさまざまな手配・調整業務が発生します。これらを一手に引き受けて、もっとも効率的な方法を検討するのが総務部であり、総務事務の仕事です。決められたことしかできない、しないという姿勢では総務事務の仕事は務まりません。
ワンランク上の総務事務になるために実践すべきこと
さてここまでは、総務事務に一般的に求められる適性やスキルについて紹介してきました。しかし、せっかく総務事務という仕事に就いたのであれば、プロとして「できる総務事務」へと成長していきたいところ。そこで重要になるのが「自分の働きかけ次第で組織が変わる」ことを自覚して働くことです。
総務部に所属し、備品やオフィス設備の管理に携わる場合も、法務や経理の仕事を兼務して働く場合も、総務事務の仕事に共通するのはその会社全体に横断的にかかわっていけるということ。他部署の社員とコミュニケーションを取ることが多く、会社全体が抱えている業務課題に気づきやすいという特徴を持っているのです。また、総務部は社内規定の策定・運用という重要な仕事を担当する部署でもあります。もし、他部署の業務課題に気づき、総務部として、社内規定の改定を提案することができれば、全社員にとって大きな貢献ができることになります。
社内規定といってしまうと大きなことに聞こえてしまいますが、小さなことからでも構いません。例えば冬場にオフィス内の空気が乾燥していて、社員が体調を崩しやすくなったり、仕事に集中しづらくなっていたりすることは多いといいます。そんな時、もし、冬場だけでもオフィスに加湿器を設置できるように手配すれば、多くの社員から感謝されるでしょう。自らが課題を発見し、積極的に解決に向けて働きかけていくことが、できる総務事務になる秘訣です。
キャリアアドバイザーから一言コメント
総務事務の仕事はオフィスワーク未経験の人にも向いていると紹介しました。しかし、求められるスキルを見ると、PCスキルが必要だったり、作業の正確性・スピードや臨機応変さを求められたりすることがわかり、「自分には総務事務の仕事はできないかもしれない…」と不安になってしまった人もいるかもしれません。
その不安は必要のないものです。なぜならマイナビキャリレーションで働き始めれば、PCスキルだけでなくオフィスワークの基本まで研修を通じて身に付けられるからです。少人数制のPC研修は、採用後に2日間、受講することができます。大勢が参加する研修では質問がしづらい基礎的な内容も、遠慮なく質問できる安心感があります。
また、ビジネスマナーやオフィスでの働き方については、選考過程で研修を提供しているほか、配属先で働き始めてからも専属のキャリアアドバイザーがしっかりサポートしています。オフィスワークが未経験の人にとって、非常に働きやすい環境が整っているので、総務事務に興味を持ったら、まずは応募してみることをおすすめします。