一般事務に求められるスキル - 適性チェックリスト付き
マイナビキャリレーション編集部就職や転職にあたって、「自分は一般事務になれる?向いている?」と不安になったら、まずはこのページをチェックしてみてください。一般事務に向いているかどうかを判断するためのチェックリストや、一般事務に求められるスキルレベルをグラフとともに詳しく解説しています。また、ワンランク上の一般事務として活躍するために心がけるべき点についても紹介します。
目次
自分は一般事務に向いている?適性チェックリスト
まずは、一般事務という仕事に自分が向いているのかどうかをチェックしてみましょう。一般事務の仕事で活躍するために重要な適性や志向をチェックリストにまとめてみました。当てはまる項目が多いほど、一般事務の仕事に向いているといえます。
一般事務の適性チェックリスト
- 他人のために働くことに喜びを感じる
- 単純な作業の繰り返しが苦にならない
- ルールの決まった仕事を正確にこなすのが好き
- 細かいことにもよく気が付く
- 人前で目立つよりも裏方として働くのが好き
- 気分の浮き沈みが少ない
- 仕事だけでなくプライベートも大切にしたい
- 結婚しても長く仕事を続けていきたい
一般事務の代表的な仕事として、書類の作成、ファイリング、データ入力、さらには伝票処理・整理、郵便物の発送・仕分けなどが挙げられます。これらの仕事は、基本的に他の社員が別の仕事に集中しやすくするためのものです。しかも、他の社員の依頼に応える形で発生するのが通常。言い換えるなら、一般事務の仕事は他の社員のサポート役といえるのです。そのため、「他人のために働くことに喜びを感じる」ことができるメンタリティは欠かすことができません。
また、書類の作成、ファイリング、データ入力といった仕事は、通常、会社や部署ごとに決められた定型のファイルに対して、繰り返し行うことになります。同じ内容の書類なのに、自分勝手に形式を変えてしまったり、ファイルの保存場所をその時々で変えてしまったりしては、効率的に書類やデータを管理できません。ミスや混乱を招くばかりです。「単純な作業の繰り返しが苦にならない」「ルールの決まった仕事を正確にこなすのが好き」という性格の人が一般事務の仕事をするには向いているでしょう。
そのほか、他の社員に書類の作成や発送、データ入力などを依頼されたときに、その内容が正しいものかを確認するのも一般事務の重要な仕事です。見積書に記載する日付、品番、価格が間違っている、宛先が間違っているなどといったケースは多々あります。報告された売上などの数値が一桁間違っているなんてことも少なくないのです。他社に提出する書類の記載内容や集計に利用されるデータの入力にミスは許されません。「細かいことにもよく気が付く」ことも、一般事務の仕事に必要とされる適性のひとつといえるでしょう。
「人前で目立つよりも裏方として働くのが好き」という要素も、一般事務として長く働いていくには欠かせないものです。一般事務の仕事はデスクワークが中心となるため、人前に出ることは基本的にありません。また、営業職のように自分の頑張りを売上というわかりやすい形で表現することもできません。自分に対する評価を積極的に求める人には一般事務の仕事は向いていないでしょう。
一般事務の仕事をすると一日中、オフィスにいることになります。そこで大切になるのが、「気分の浮き沈みが少ない」こと。想像してみてください。もし、同じ部署の人が、日によって機嫌が悪かったり、悲しそうだったり、逆に浮足立っていたりしていたら、他の社員は自分の仕事に集中できるでしょうか。実はオフィスワークをしている一般事務の人は、オフィスの雰囲気作りも担っているのです。また、気分の浮き沈みが激しいと、ミスが多くなるというデメリットもあります。
一般事務だけでなく、事務職全般にいえることですが、他の職種に比較すると、残業が少ないという特性があります。「仕事だけでなくプライベートも大切にしたい」「結婚しても長く仕事を続けていきたい」と考えている人にとっては、最適な職種として、長く活躍することができるでしょう。
一般事務として活躍するために必要なスキルレベル
続いては一般事務に求められるスキルについて紹介していきます。ここでは、あらゆる事務職において重要視されている「コミュニケーションスキル」「PCスキル」「作業の正確性・スピード」「スケジュール管理能力」「臨機応変な対応」という5つのスキルについて、一般事務にはどの程度のレベルが求められているのかをグラフ化しています。レベルは1〜5の5段階評価で、3を事務職としての平均レベルとしました。数字が大きくなるほど高いレベルが求められると考えてください。
コミュニケーションスキル【求められるスキルレベル:3】
来客応対、電話・メール応対など、外部とのやり取りが発生することはあるものの、一般事務の人のコミュニケーションの対象は社内の人が中心になります。書類作成や発送、伝票処理等の依頼や指示を、正確に理解して遂行できる程度のコミュニケーションスキルがあれば、一般事務として活躍することができるでしょう。
指示や説明を受けてもわからないことは、その都度、解決することが重要。自分の考えや、曖昧な理解で作業を進めると、やり直しになってしまい、結 局、自分の作業量が増えることになります。わからないことを遠慮なく質問できる人間関係を作るように心がけましょう。
また、一般事務の仕事は、基本的に依頼や指示を受ける立場になるので、依頼された仕事に対して嫌な顔をしないという姿勢が非常に大切です。仕事を頼むときにいちいち嫌な顔をされてしまうと、依頼する側も仕事を頼みづらくなります。すると、依頼自体が遅れ、作業が間に合わなくなってしまったり、トラブルのもとになってしまったりする可能性があるのです。他の社員との関係性を良好に保つことが、一般事務の仕事を楽にするスキル・コツともいえます。
PCスキル【求められるスキルレベル:3】
一般事務の主な仕事である、書類作成、データ入力、さらにメール応対は、PCを使って行います。一般事務の仕事をスムーズにこなすには、基本的なソフトである、Word(ワード)、Excel(エクセル)を一定レベルで使いこなせることが最低条件のスキルとなるでしょう。特にExcel(エクセル)を頻繁に利用することになるので、より高いレベルのスキルが求められます。簡単な関数は理解しておいたほうがいいでしょう。
とはいえ、入社当初は決められたフォーマットにデータを入力していくだけの作業が多いはずです。いちから関数を駆使して書類を作成しなければならないケースは少ないでしょう。まずは、入力されている関数を理解できる程度の知識とスキルがあれば十分です。その後、関数を必要に応じて修正できるようになり、さらに慣れてきたら、いちから関数を使った書類を作成できるようになるというステップを踏んでスキルアップしていきましょう。
また、会社によっては、一般事務といっても、経理や人事、総務などの仕事を担当する可能性があります。この場合、経理専用のソフトや勤怠管理ソフトを使って仕事をしなければならないかもしれません。専門的な知識やスキルは不要ですが、馴染みのないソフトを前にしても、しり込みしない程度の柔軟なPCスキルが求められます。
作業の正確性・スピード【求められるスキルレベル:3】
作業の正確性・スピードはどの事務職にも強く求められるスキルです。事務職は、依頼された仕事を正確に、素早く処理し、他の社員をサポートするのが、その本質といえるからです。一般事務においても作業の正確性は重要ですが、他の職種に比べて求められるレベルが高いというわけではありません。入力ミス、計算ミスがないかをその都度確認し、ミスのない書類を締切りまでに作成できる能力・スキルがあれば、十分に活躍できるでしょう。
ちなみに、作業の正確性・スピードを維持するためには、わからないことを放置しないという姿勢が大切です。コミュニケーションスキルの部分で触れましたが、わからないことがある場合は、すぐに確認するようにしましょう。
スケジュール管理能力【求められるスキルレベル:4】
一般事務の仕事には、比較的、高いスケジュール管理能力が求められます。会社にもよりますが、一般事務は営業事務、経理事務、人事事務などの仕事も兼任することがあるためです。中小企業であれば、ビジネス上、必要な書類の作成・提出のスケジュールをすべて把握し、処理しなければならないケースも考えられます。スムーズに業務を進めるには、自分だけでなく、他の社員の仕事の進み具合も把握し、必要に応じて進行状況を確認したり、催促したりしなければならないでしょう。
分業が進んでいる大企業での一般事務で、書類作成やデータ入力だけを任されているなら、自分の仕事のスケジュールを中心に管理すればよいので、必要なスキルレベルは3に下がります。
臨機応変な対応【求められるスキルレベル:5】
一般事務といっても担当する仕事はさまざまです。会社によっては、営業事務として見積書や請求書の作成をしたり、経理事務として経費精算や決算書類の作成をしたり、法務事務として契約書の確認や作成をしたりすることもあります。非常に幅広い分野のスキルをカバーしなければならないのが一般事務という仕事なのです。
そこで必要になるのが、経験したことがない仕事に対する対応スキル。例えば、「契約書の内容をチェックしてほしい」といわれた場合、法律に関する専門知識がなかったとしても、その契約が有効なものなのか、会社に不利益をもたらすものではないかなどを、自分の力で確認しなければならないでしょう。
ただし、規模の大きな企業で働く場合は、分業やマニュアル化が進んでいるため、進め方がわからないような仕事が、突然、発生することは少ないはずです。その場合は、「スケジュール管理能力」と同様に、必要なスキルレベルは3になります。
ワンランク上の一般事務になるために実践すべきこと
ここまで紹介してきたのは、あくまで、一般事務職としてスムーズに働き続けるためのスキルや適性です。せっかく働くのであれば、より評価され、感謝される一般事務を目指したいというのが多くの人の願いでしょう。そこで最後に、ワンランク上の一般事務へとステップアップするために心がけるべきことを紹介していきます。
先読み力を磨いて、他の社員をコントロールする
一般事務は他の社員の依頼や指示を受けて仕事をするケースが多いと書いてきました。つまり、受け身の姿勢で仕事をするということです。しかし、受け身の姿勢で仕事をしていると、依頼のタイミング次第で、想定していたスケジュールが崩れてしまったり、イレギュラーな仕事への対応ができなくなったりしてしまいます。ワンランク上の一般事務になるためには、先を読む力を磨き、依頼や指示がある前に仕事を作ってしまうという姿勢を身に付けましょう。
毎月、決まって発生する請求書の作成業務を想定してみます。営業社員から請求額を聞いてから作業をするというフローにしていると、営業社員の申請が遅くなったときに、自分の作業もそのまま後ろへとずれ込んでしまいます。そのせいで、残業が発生してしまったり、快く依頼を受けられなくなってしまったりするかもしれません。
しかし、もしその営業社員の普段の仕事の様子を見て、「今月は忙しそうだから、申請が遅れるかもしれないな」「いつもこの人は申請が遅いな」と予想できていれば、余裕を持ったスケジュールで「今月の請求額を申請してください」と声がけをすることが可能になるでしょう。たった1度の声がけで、残業がなくなり、仕事に対するストレスも減少することもあるはずです。請求漏れがなくなり、営業社員からも感謝されるでしょう。
会社全体にネットワークを張り巡らせる
一般事務のやりがいのひとつとして「他の社員から頼りにされる」というものがあります。例えば、営業社員が請求の申請を忘れて、通常の手続きでは間に合わない状況になってしまったとしましょう。そんなとき、営業社員は「なんとならない?」といってくるはずです。こういったイレギュラーな依頼をこなせるスキルがあるかないかで、一般事務の評価は大きく異なります。イレギュラーな対応がないように心がけるのが第一なのですが、発生してしまった他の社員のミスをフォローすることで、「この人は頼りになる」という評価が生まれてくるのです。
イレギュラーな対応をするために必要なのは、社内のネットワークを作るスキルです。社内の事務手続きは、自分ひとりが素早く処理したからといって、スケジュールを短縮できるものではありません。さまざまな部署・人の承認が必要になることがほとんどです。「あの人がお願いしているのだから対応してあげよう」と思ってもらえるような人間関係を全社に構築できるよう、日々のコミュニケーションを大切にしてください。
キャリアアドバイザーから一言コメント
今回は、一般事務として活躍するために必要なスキルと適性について解説してきました。もしかすると、自分には向いていないかも、スキルが足りないかもと不安になった人がいるかもしれません。しかし、むやみに不安になる必要はありません。マイナビキャリレーションでは、選考や面談をとおして、皆さんが気づいていない適性を発掘し、最適な就業先へとマッチングしています。
また、スキル不足も入社前の研修やeラーニングを使って徹底的にフォロー。自分のやる気次第で、一般事務として即戦力になれるだけのスキルを身に付けることができます。自分には向いていない、できないと決めつける前に、まずはマイナビキャリレーションに応募してみてください。もしかすると、自分の新たな可能性に気づくことができるかもしれません。