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貿易事務として活躍するために有効な資格・試験5選まとめ

マイナビキャリレーション編集部
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貿易事務は資格が必須となる仕事ではありません。何ひとつ資格を持っていなかったとしても貿易事務の仕事をすることはできます。ただし、貿易事務への転職や就職を有利に進めるためには、いくつかの資格や試験をクリアすることが重要になることがあります。なぜなら貿易事務の採用では、高い英語力や貿易に関する専門的な知識を求められることが多いからです。それらのスキルや知識を証明する資格を持っておくことで、企業の採用意欲を高めることができるのです。

本記事では、貿易事務になるために、そして活躍するために有効な資格・試験を5つにまとめました。これから貿易事務の仕事をしたいと考えている人はもちろん、貿易の世界でのキャリアアップを目指している人もぜひチェックしてみてください。

目次

貿易事務で有効な資格・試験は、英語力・PCスキル・貿易実務の3種類
貿易事務になるためには、英語の資格が最重要
TOEIC(TOEIC Listening & Reading Test)
日商ビジネス英語
貿易事務に必須となるPCスキルをアピールするための資格
マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)
貿易実務の資格は事前知識の証明とキャリアアップに役立つ
貿易実務検定
通関士試験
貿易事務の資格を取るならまずはTOEICから

貿易事務で有効な資格・試験は、英語力・PCスキル・貿易実務の3種類

貿易事務は、数ある事務職の中でも、特に高いスキルや専門性を求められる仕事です。例えば、貿易事務の仕事に就くと、海外の取引先とコミュニケーションを取らなければならないケースが多々あります。そのため、英文の作成・読解スキルはほぼ必須条件、簡単な英会話ができる能力を求められる場合もあります。また、Excel(エクセル)、Word(ワード)を使った業務をスムーズにこなせるレベルのPCスキルも必要です。

そのうえ、貿易事務の仕事では、「インボイス(Invoice・商業送り状)」「パッキングリスト(Packing list・梱包明細書)」「船荷証券(B/L・Bill of Lading)」といった、貿易書類と呼ばれる特殊な書類を扱うことになります。これらの書類を使った手続きを正確に処理するためには、輸出・輸入にあたってのお金や品物の流れ、貿易に関する法律を理解していることが重要です。さらに、貿易書類のほとんどは英語で作成されているので、英文読解能力も求められます。

事実、貿易事務の求人の多くには、「英語を使って電話やメールができる」「TOEIC●●点以上」「エクセルの●●関数が扱える」などといった、一定の英語スキルとPCスキルを求める応募資格が設定されています。また、貿易実務の経験を応募資格としている場合も少なくありません。

貿易事務の採用で求められる3大スキル・経験

  1. 海外の取引先とのやり取りや、貿易書類の理解・作成が可能なレベルの英語力
  2. エクセル、ワードを実務レベルで使用できるPCスキル
  3. 輸出・輸入における取引きの流れや法律など、貿易実務に関する知識・経験

スキル・知識面でとてもハードルの高い貿易事務ではありますが、裏を返せば、必要なスキルを資格によって証明することで、転職・就職活動が有利になりやすい職種と考えることもできます。例えば英語力は、TOEICで750点以上の高得点を取っていれば、TOEICの点数を持っていない人よりも、確実に高い評価を得られます。「マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)」も、PCスキルの効果的なアピールとしてプラスに働くでしょう。貿易実務についての知識・経験も、「貿易実務検定」などの貿易実務に関する資格を取得することで、一定水準の評価を得ることが可能です。

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以下に貿易事務に求められる「英語力・PCスキル・貿易実務の各スキルと資格の関係」を図で表しました。図の左側にあるものほど必須度が高い資格で、右にあるものほど付加価値の高い資格を意味しています。例えば、もっとも左側にあるTOEICは非常に必須度が高く、求人情報の応募資格にも設定されるほど。逆に、もっとも右にある「通関士」は、必要性は低いものの、付加価値がとても高くキャリアアップに役立つ資格といえます。

貿易事務は、弁護士や税理士のように資格・免許制度のある仕事ではありません。もちろん、資格を持っていなくても貿易事務の仕事をすることはできます。しかし、転職・就職活動やキャリアアップに、資格の取得が有効であることは確かです。目安としてチェックしておいてください。

貿易事務と資格の関係

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貿易事務になるためには、英語の資格が最重要

貿易事務の仕事をする以上、最低限、英語の書類を扱えるレベルの英語力が必要です。求人情報の業務内容に、「コレポン業務(海外の取引先と電話やメールでやり取りすること)」と書かれている場合は、英会話や英文でメールが書ける能力も必須となります。

英語に関する資格では、特に「TOEIC」が重要。求人情報の応募資格が「TOEIC●●点以上」などといった形で設定されることも多く、確実に受験しておきたい試験のひとつです。また、貿易書類に関する問題が出題範囲となっている「日商ビジネス英語」も取得しておくと役に立つでしょう。

TOEIC(TOEIC Listening & Reading Test)

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社会人が受験する英語の資格=TOEIC、といっても過言ではないほど、認知度も受験者数も多い、メジャーな英語力測定試験です。ちなみにTOEICには「TOEIC Listening & Reading Test」「TOEIC Speaking & Writing Tests」「TOEIC Speaking Test」「TOEIC Bridge Test」の4種類があり、単純に「TOEIC」という場合は、リスニングとリーディングの力を測る「TOEIC Listening & Reading Test」のことを指します。

TOEICは合格・不合格という形ではなく、10点〜990点のスコアという形で結果が出るのが特徴。試験はリスニングとリーディングに分かれており、配点は495点ずつ。貿易事務の応募資格には、500点〜650点程度が設定されるケースが多く見受けられます。受験する場合は650点以上を目安に勉強をするといいでしょう。

TOEIC(Listening & Reading Test)

  • 主催/運営:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
  • 受験料: 5,725円(税込み)
  • 受験資格:特になし
  • 実施時期:年10回(1月、3月、4月、5月、6月、7月、9月、10月、11月、12月)
  • 試験時間:リスニング 約45分、リーディング 75分
  • 合格率:−
  • 合格基準:−

日商ビジネス英語

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「日商ビジネス英語」は、「商工会議所法」という法律に基づいて、統一基準で全国で開催されている公的試験です。英文書類の作成に役立つライティング能力を重視しているのが特徴。難易度別に3級、2級、1級の3種類の試験がありますが、どの試験の出題範囲にも共通して、貿易書類、貿易実務に関するものが含まれているため、英語力だけでなく貿易実務の知識もアピールすることができます。

特に3級は、英文レター、英文メール、英文FAXといった英語でのビジネス文書作成に関する基礎知識に加えて、「インボイス(Invoice・商業送り状)」「パッキングリスト(Packing list・梱包明細書)」「船荷証券(B/L・Bill of Lading)」「信用状(L/C・Letter of Credit)」といった貿易書類の基本が出題範囲となっており、貿易事務の仕事と非常にかかわりが深いので、未経験から貿易事務にチャレンジするなら、3級を受験してみるといいでしょう。

日商ビジネス英語

  • 主催/運営:商工会議所
  • 受験料:[3級] 4,120円、[2級] 5,140円、[1級]7,200円(すべて税込み)
  • 受験資格:特になし
  • 実施時期:[2級・3級] 毎月第3金曜日(随時開催あり)、[1級]年2回(2月、10月)
  • 試験時間:[3級] 30分、[2級] 40分、[1級] 90分
  • 合格率:−
  • 合格基準:70点以上

貿易事務に必須となるPCスキルをアピールするための資格

貿易事務の仕事に就くと、貨物の出荷や納品を管理する業務を担当することも多く、出荷・納品の管理は、PCを使って行うのが基本。特にエクセルやワードが多用されています。そのため、求人情報の応募資格欄には「エクセル、ワードが使えること」「エクセルの●●関数を扱えること」などと、一定以上のPCスキルを求める内容が記載されていることが多々あります。貿易事務への転職・就職を目指すなら、エクセル、ワードのスキルを証明できる「マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)」を取っておくといいでしょう。

マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)

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「マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)」は、エクセルやワードなどのマイクロソフト オフィスの操作スキルを証明できる資格です。試験は「Excel(エクセル)」「Word(ワード)」「PowerPoint(パワーポイント)」などといったようにソフトごとに分かれており、さらにソフトのバージョンによっても試験内容は異なります。また、難易度によって、「スペシャリストレベル(一般)」「エキスパートレベル(上級)」の2種類の試験があります。貿易事務に必要なPCスキルをアピールしたいのであれば、エクセルとワードのスペシャリストレベル(一般)を取得しておけばいいでしょう。

エクセルやワードなどのマイクロソフト オフィスの操作スキルは、貿易事務だけでなくあらゆる仕事で役立つスキルです。米国サーティポート社とユタ大学がさまざまな企業の従業員を対象に行った調査では、マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)を取得した従業員の88%が、「仕事の成果が上がった」と回答したほど。勉強・取得をしておいて決して損はないので、ソフトやレベルを問わず、積極的に受験することをおすすめします。

マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)

  • 主催/運営:株式会社 オデッセイコミュニケーションズ
  • 受験料:
    [スペシャリストレベル(一般)] 各ソフト10,584円
    [エキスパートレベル(上級)] 各ソフト12,744円(すべて税込み・一般価格)
    ※Word 2013、Excel 2013のエキスパートレベル(上級)は、Part1、Part2に分かれており、各10,584円
  • 受験資格:特になし
  • 実施時期:[全国一斉試験] 月1〜2回、[臨時試験] 試験会場ごとに設定
  • 試験時間: 50分
  • 合格率:−
  • 合格基準:−

貿易実務の資格は事前知識の証明とキャリアアップに役立つ

貿易事務をスムーズにこなしていくには、輸出・輸入の取引きの流れ、貿易関連の法律を熟知している必要があります。そのため、採用時には貿易実務の経験者が優遇されてしまうのが現実です。未経験から貿易事務への転職・就職を目指すなら、資格を取得して一定以上の貿易実務に関する知識を持っていることをアピールするのもひとつの手です。また、貿易実務に関する資格は、貿易事務の仕事を始めてからのキャリアップにも役立ちます。未経験者、経験者を問わず、積極的にチャレンジすることをおすすめします。

貿易実務検定

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「貿易実務検定」は、貿易に関する実務能力や知識を客観的に評価する試験です。試験はC級、B級、A級の3種類に分かれており、C級は、実務能力や知識が、定型的な貿易業務をこなせる水準にあることを証明するものです。出題範囲は「貿易実務」と「基本的な貿易実務英語」。未経験から貿易事務への転職・就職を考えているなら、C級を受験してみるのがおすすめです。

B級、A級の出題範囲には、「貿易マーケティング」という科目が加わり、より広い視野で貿易実務を遂行する能力が求められます。B級は貿易実務経験者の中堅層を対象としており、A級は貿易実務において判断業務ができるレベルの能力があることを証明するものになっています。貿易事務の仕事を始めてから、スキルアップ・キャリアアップのために受験するといいでしょう。

貿易実務検定

  • 主催/運営:日本貿易実務検定協会、株式会社マウンハーフジャパン
  • 受験料:[C級] 5,980円(税込)、[B級] 7,150円(税込)、[A級] 12,324円
  • 受験資格: 特になし
  • 実施時期:
    [C級] 年5回(3月、5月、7月、10月、12月)
    [B級] 年3回(3月、7月、12月)
    [A級] 年2回(7月、12月)
  • 試験時間:
    [C級] 貿易実務 90分、貿易実務英語 45分
    [B級] 貿易実務・貿易マーケティング 105分、貿易実務英語 60分
    [A級] 貿易実務・貿易マーケティング 120分、貿易実務英語 70分
  • 合格率:
    [C級] 50.2%(2017年12月実績)
    [B級] 42.0%(2017年12月実績)
    [A級] 38.2%(2017年7月実績)
  • 合格基準:
    [C級] 貿易実務、貿易実務英語の2科目の合計が200満点中160点(80%)を基準として試験委員長の定める点
    [B級] 貿易実務・貿易マーケティング、貿易実務英語の3科目の合計が300満点中210点(70%)を基準として試験
  • 委員長の定める点
    [A級] 各回の基準点(3科目合計)

通関士試験

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貨物の輸出・輸入を行うためには、税関で許可を得なければなりません。これを「通関」と呼びます。そして、通関にかかわる手続きを専門に行うのが「通関士」という職業。「通関士試験」は通関士になるために必要な国家試験で、この試験に合格しなければ通関士になることはできません。

通関士の活躍するフィールドは、商社やメーカー、フォワーダー、海運業者、倉庫業者など、非常に幅広く、担当できる仕事の範囲も広がるため、取得すると確実にキャリアップにつながります。合格率9.8%と難関の試験ではありますが、貿易の世界で仕事を続けていきたい人、キャリアアップをしていきたい人はチャレンジしてみるといいでしょう。

通関士試験

  • 主催/運営:国家試験
  • 受験料:3,000円
  • 受験資格:特になし
  • 実施時期:年1回(毎年7月上旬に日程が発表される。多くの場合、10月上旬に実施)
  • 試験時間:
    [通関業法] 50分
    [関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(※同法第6章に係る部分に限る)] 100分
    [通関書類の作成要領その他通関手続の実務] 90分
  • 合格率:9.8%(2016年実績)
  • 合格基準:−

貿易事務の資格を取るならまずはTOEICから

いかがでしたでしょうか。ここまで、貿易事務に必要なスキルと資格の関係、各資格の詳細について紹介してきました。しかし、貿易事務の仕事をしたいからといって、同時にたくさんの資格の勉強を始められる人は少ないでしょう。貿易事務の資格を取るなら、優先順位を決めて取り組むのがポイントです。

優先順位はこのページの前半で紹介した、必須度に合わせるのが基本です。まずは、「TOEIC」で650点以上を取ることを目標に勉強を始めてみてはいかがでしょうか。TOEICで高得点を取るだけで、貿易事務に転職・就職できる場合も多いはずです。さらに採用面での競争力を高めたいなら、「マイクロソフトオフィス スペシャリスト(MOS)」「貿易実務検定(C級)」の取得にチャレンジするといいでしょう。

「日商ビジネス英語」「貿易実務検定(B級・A級)」「通関士」といった資格は、貿易事務の仕事を始めてから、キャリアアップのために取得するものと考えるのがおすすめです。焦って勉強をしてもあまり意味がありません。実務経験を積みながら、貿易の世界でより高いレベルの仕事をしたくなったときに、勉強を始めてみるといいでしょう。

この記事を書いた人

マイナビキャリレーション

マイナビキャリレーション編集部

マイナビキャリレーション編集部は、運営元であるマイナビキャリレーションのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。事務職としてキャリアアップを目指す皆様へ有意義な情報を届けられるよう日々奮闘中です。

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