無期雇用派遣から正社員を目指すには?派遣先で直接雇用になった事例も紹介

無期雇用派遣は、一般的な登録型派遣と比べると収入が安定していて、1つの企業に長く勤めることができる働き方です。未経験からでも事務職にチャレンジしやすいなどのメリットもあります。
無期派遣社員として働く中で、もし「派遣先企業の正社員になりたい」と思ったら、一体どうすればいいのでしょうか?この記事では、無期雇用派遣から正社員を目指す方法や、実際に派遣社員から直接雇用へ転換した事例をご紹介します。
目次
無期雇用派遣から正社員になることはできる?
結論からお伝えすると、無期雇用派遣から正社員になれる可能性はあります。
無期雇用派遣は紹介予定派遣とは異なり、将来的に派遣先企業の直接雇用となることを前提とした制度ではありません。しかし、無期雇用派遣であっても、長く働く中で「その企業にとってなくてはならない人材」と認められれば、企業側が正社員としての採用を申し出るケースがあります。その際は、派遣先企業と無期雇用派遣スタッフ、派遣会社の三者が協議したうえで、派遣から直接雇用へ転換することができます。
派遣先の企業は、無期雇用派遣として長く勤めた人を正社員として採用することで、確実に雇用し続けることができるだけでなく、より広い範囲の仕事を任せたり、リーダーとして育成したりすることも可能になります。新たに採用活動を行うことなく、業務をよく理解し、仕事ぶりや人柄も確かな人材を採用できることは、企業側にとっても大きなメリットがあるのです。
無期雇用派遣から正社員を目指す3つの方法
無期雇用派遣から正社員を目指すには、まず派遣先企業での働きぶりを評価される必要があります。そのためには、ただ担当業務をこなすだけでなく、プラスアルファの価値を発揮できるよう、以下の3つを意識してみてください。
主体的に業務に取り組む
指示されるのを待つだけでなく、積極的に行動してみましょう。自分の部署の仕事が今どのような状況にあり、上司が何を望んでいるのか、自分がどう動いたら周囲が助かるのか考えれば、やるべきことが見えてくるはずです。
具体的には、この先に起こることを先読みして仕事の段取りを整える、手伝いを自分から申し出る、効率化に向けた業務フローを提案する、業務環境が快適になるように整える、などが考えられます。
類似領域の業務に興味を持つ
自分の担当領域だけでなく、関連する職種や業務にも興味を持ち、勉強してみましょう。
たとえば、あなたが営業事務で、普段から見積りや請求書の作成や処理を担当しているなら、簿記の勉強をして経理の知識もつけてみる、一般事務としてほかの社員のサポートや電話応対などを担当しているなら、秘書業務の知識もつけてみる、などが考えらえます。
関連する職種や業務の知識があれば、所属部署や関連部署の社員とのやり取りがスムーズになるだけでなく、ワンランク上の対応による信頼獲得も期待できます。
業務以外の面もしっかりこなす
プラスアルファの価値を発揮するには、業務以外の面でも派遣先企業からの信頼を得る必要があります。たとえば、遅刻や無断欠勤をしない、気持ちのよい挨拶をする、場にふさわしい服装をするなど、社会人として最低限のマナーを守るのは当然のことです。
上司から「正社員として活躍してほしい」と思ってもらうには、組織の文化に馴染むことも大切です。職場の行事などには興味を持って参加し、ほかの社員と積極的にコミュニケーションを取りましょう。
日々の業務の評価が正社員への切り替えオファーに繫がる
正社員採用のオファーに繫がる信頼は、時間をかけて構築されるものです。どうしたらその職場になくてはならない存在になれるかを考えながら、日々の業務に誠実に取り組みましょう。
大切なのは、自分の強みを生かして職場に貢献することです。誰かが困っていることはないか、誰も手が回らずに取りこぼされている仕事がないかなど、周囲をよく観察してみてください。そのうえで、職場に貢献するために足りないスキルがあれば勉強するとよいでしょう。
ほかの人にはないスキルを身に付け、「自分でなければできない仕事」を担当するなど、自分の価値を高め、職場で存在感を発揮していくことが重要です。
実際にマイナビキャリレーションから正社員に転換した事例
マイナビキャリレーションでは、無期雇用派遣スタッフが派遣先企業から直接雇用のオファーを受けて、正社員となった事例が多数あります。ここでは事例の一部をご紹介します。
配属後約半年で直接雇用!持ち前の明るさと行動力で、未経験から事務職で活躍中
引っ越し業界の営業職から無期雇用派遣の事務職へと転職したSさんは、鉄鋼メーカーに配属されてわずか半年後に直接雇用のオファーを受けました。
配属時に企業側から「長く続けてほしいので直接雇用も考えていてほしい」と言われていたSさん。働き始めると業務へのやりがいや職場の雰囲気のよさに魅力を感じ、直接雇用への転換を期待するようになったそうです。正社員となった現在は、グループ会社で購買業務や社内業務を担当し、徐々に仕事の守備範囲を広げています。
配属後半年という異例の早さで直接雇用となったのは、常に笑顔で周囲を和ませるSさんのコミュニケーション力や、業務をいち早く身に付けるための行動力、スキル取得に向けた努力の成果ではないかと、担当のキャリアアドバイザーは分析しています。
職場に欠かせない人材として評価され、アシスタントから正社員のリーダー職へと成長
Aさんは派遣で学校事務職として働いていましたが、事務スキルの幅を広げるためにマイナビキャリレーションに応募し、企業の一般事務へと転職しました。人材会社の採用アシスタントとして配属され、企業の採用代行事務局で学生対応を主に担当。電話対応への苦手意識を克服し、学生に寄り添ったていねいな対応を心がけていたところ、配属後2年半で直接雇用のオファーを受けました。
正社員への転換後は、企業への対応や、チームリーダーとしてアシスタントへの指示出しも任されるようになり、より責任の重い仕事にやりがいを感じながら取り組んでいます。
Aさんを担当していたキャリアアドバイザーは、Aさんの誠実な人柄や、探求心が強く人一倍の努力ができる点にポテンシャルを感じていたと言います。直接雇用のオファーは、Aさんが積極的なコミュニケーションで企業に貢献し、「なくてはならない存在」に成長した証と言えそうです。
先輩インタビュー
マイナビキャリレーションでは、未経験から事務職にチャレンジした人をはじめ、多数の無期雇用派遣スタッフがさまざまな企業で活躍しています。こちらで体験談を紹介していますので、ぜひ先輩の声をチェックしてみてください。
よくある質問
最後に、無期雇用派遣から正社員への転換についてよくある質問と、マイナビキャリレーションのキャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。
Q.1無期雇用派遣と正社員の違いってなんですか?
無期雇用派遣スタッフは派遣先企業の正社員と同じ業務を担当することもありますが、雇用主は派遣会社です。そのため、派遣先企業の正社員とは、適用される給与体系や福利厚生が異なります。
無期雇用派遣スタッフと派遣会社の正社員は雇用主が同じですが、勤務地と、指揮・命令系統は異なります。派遣会社の正社員の勤務地は自社内で、自社の上司による指揮・命令のもとに勤務します。一方、無期雇用派遣スタッフの勤務地は派遣先企業で、派遣先企業の指揮・命令のもとに勤務します。

Q.2正社員に切り替わった後は、事務職以外の仕事をする可能性はありますか?
直接雇用になった後の仕事は、会社との雇用契約の内容次第で、将来的に事務職以外の仕事を担当する可能性はあります。
また人員配置の都合や、育成・教育のためなど、さまざまな理由で事務とほかの仕事との兼務を指示されたり、事務がメインではない部署に異動になったりすることもあるでしょう。
正社員として働く以上は、会社の状況に合わせて柔軟に対応することが求められます。もし不安な点があれば、雇用契約を結ぶ前に、異動の可能性などについて会社側の意向を確認するとよいでしょう。
未経験から事務職を目指すなら、無期雇用派遣からチャレンジしよう
未経験から応募できる事務職の正社員採用は数が少なく、競争率も高いのが一般的です。その点、無期雇用派遣は、キャリア相談や研修などのサポートが手厚く、未経験から応募できる求人も多数あります。未経験から事務職を目指す人にはおすすめの働き方と言えるでしょう。
この記事で紹介してきたように、無期雇用派遣から正社員へ転換する例は珍しくありません。もし正社員を目指したいなら、担当のキャリアアドバイザーにも相談しながら、職場にとって欠かせない人材になれるよう前向きに努力してみてください。
\ 未経験から事務職にチャレンジできる /