事務職のキャリアプラン例 - 10年後の目標を面接で話せる自分になろう！

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事務職を目指す人の中には、「10年後のキャリアプラン」と言われてもピンとこない人も多いかもしれません。残業が少ないなど業務内容以外の面に魅力を感じて事務職を選び、キャリアプランについては具体的に考えたことがない、という人もいるでしょう。

しかし、就職活動や転職活動の面接、入社後の人事面談など、キャリアプランについて質問される機会は意外とあるものです。とくに採用面接では、どう答えるかでライバルに差がつく場合もあるため、事前にしっかり対策する必要があります。

この記事では事務職にとってのキャリアプランの考え方や、10年後に向けたキャリアプランの立て方を、実例入りで解説していきます。

キャリアプランとは

キャリアプランとは、仕事において目指しているポジションに就くために、必要なスキル・経験を獲得するための計画のことを指します。将来自分がどのようなポジションで働きたいのか目標を立て、そこに至るまでには「いつまでに」「どのようなスキルや経験を」「どうやって身に付けるのか」といったことを、具体的な計画に落とし込んだものがキャリアプランです。

キャリアプランとキャリアパスの違い

キャリアプランと似た言葉に「キャリアパス」があります。キャリアプランが仕事における将来の目標を達成するための「計画」であるのに対し、キャリアパスは目標達成に至るまでの「道筋」を意味します。

ここでいう道筋とは、具体的には組織の中での異動や昇進などのことを指します。将来の目標とキャリアプランは働く人自身が立てるものであるのに対し、キャリアパスは「その目標を達成するには、この職務を経験し、この研修を受けてこの資格を取得し、〇年後までにこの役職まで昇進する必要があります」など、会社側が働く人に対して示すものです。

キャリアプランは3年後、5年後、10年後ごとに立てておくのがよい

キャリアプランは、3年後、5年後、10年後という単位で立てるのが基本です。3年後は短期、5年後は中期、10年後は長期と言い換えることもできます。3段階に分けてキャリアプランを立てる理由は、長期的な目標達成のために短期・中期で何をする必要があるのか考えることで、より具体的で実効性のある計画にするためです。

もちろん、将来何が起こるかは誰にもわかりません。計画を立てたとしても、さまざまなライフイベントや生活環境の変化などで計画通りに進まないことのほうが多いでしょう。

しかし、ただ目先の仕事をこなしている人と、「今の経験が将来どう役立つか」「この仕事を通してどのようなスキルを身に付けるか」「この3年間で目標にどれだけ近づけたか」と考えながら仕事をしている人とでは、将来的なキャリアに差がつくことが誰にでも想像できるはずです。自分の将来の働き方について考え、具体的な計画を立てることには大きな意味があるのです。

事務職がキャリアプランを立てるメリット

事務職は、ほかの社員や部署をサポートする業務が中心で、組織の裏方的な職種のため、事務職としてキャリアアップするイメージを持ちにくいかもしれません。安定して長く働くことを重視していて、組織や社会における成功にはあまり関心がないという人もいるでしょう。

それでも、事務職が10年後を見据えたキャリアプランを立てることにはさまざまなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

面接の場で受け答えができる

事務職がキャリアプランを立てる最大のメリットは、転職などの面接の場でキャリアプランについて聞かれた際に、自信を持って受け答えができるということです。

採用面接で面接官がキャリアプランについて質問するのは、採用後に長く働いてくれそうか、向上心を持って仕事に取り組み、自社に貢献してくれそうかを判断するためです。そのため、将来の目標やキャリアプランについて質問したときに、自信を持って具体的に話せる人はプラスの評価を受け、面接の通過率が高くなる傾向があります。

逆に、10年後のキャリアプランを聞かれたときに「とくにありません」「わかりません」などと答えてしまうと、入社意欲や就業意欲が低いと判断され、マイナスの評価に繫がります。転職活動をする際には、キャリアプランを用意しておくことが必須と言えるでしょう。

将来設計のなかにキャリアを組み込み、解像度をあげる

将来のキャリアについて具体的なイメージが持てない人も、自分が将来どのように暮らしていきたいかについては考えたことがあるのではないでしょうか。どんな場所に住みたいか、結婚や出産をするかどうか、趣味や旅行などにどのくらい時間やお金を使いたいかなどです。暮らしにおける将来設計のことを、ライフプランといいます。

理想のライフプランを描くためには、「何歳までにどの程度の年収を稼げるようになるか」「仕事と私生活のバランスをどの程度にするか」という視点が欠かせません。

キャリアプランは、年収や働く時間に密接に関わります。キャリアプランを立てることでライフプランの解像度が上がり、より具体的な計画にすることができるのも、メリットの1つです。

選択の場面で、ロジックをもって決定できる

キャリアプランを立てるもう1つのメリットは、仕事におけるさまざまな選択に自信を持てることです。

働き方や転職先の決定など、選択に直面した際、判断の軸となるものがないと迷ってしまいます。結果として周囲の意見に流されてしまうなどして、あとから後悔することもあるでしょう。

そんなとき、キャリアプランがあれば「〇年後までに△△の業務を経験したいから、こちらの企業が向いていそう」など、選択の根拠を持ってロジカルに決定することができます。理由を聞かれたときにも自信を持って答えられますし、理由があって自分で決めたことであれば、たとえうまくいかなくてもその経験を前向きに生かせるはずです。

事務職のキャリアプランの立て方

事務職がキャリアプランを立てるメリットについて理解できたら、実際にキャリアプランを立ててみましょう。

ここからは、事務職が10年後に向けたキャリアプランを立てるための方法を3つのステップで解説していきます。

1現状を理解するため自己分析をする

まずは、事務職としてキャリアを築いていくために、今後生かせるスキルや経験、長所といった強みをあなたがどの程度持っているのか、棚卸しをしてみましょう。

あなたがこれまでに経験した業務や、勉強してきたこと、得意なことや好きなことなどをメモに書き出してみてください。その中から、事務職の仕事に生かせそうなもの、事務職の採用でアピールできそうなものをピックアップします。たとえば、業務にパソコンを使った経験、接客の経験、スケジュール管理能力などは強みに繫がります。

2自分のなりたい姿を具体的にする

次に、自分が将来なりたい姿を具体的に考えてみましょう。あまり遠い将来まで想像できなければ、ひとまず10年後の姿を描きましょう。

仕事の面から考えるのであれば、組織の中でリーダー的なポジションを目指すのか、それとも特定の分野で専門性を伸ばすのかという選択肢があります。

もし、仕事内容や組織の中でのポジションについて具体的にイメージできなければ、ライフプランから逆算してみてもいいでしょう。たとえば、「〇歳ごろまでには出産したい。産後は仕事をペースダウンして子育てに時間を使い、〇年後くらいにフルタイムに戻りたい」「シングルで安心して暮らしていくために〇歳までにマンションを購入したい」などです。

ライフプランが描けたら、目標の実現のために必要な年収や、休暇、住む場所などが見えてきます。そこから逆算して、10年後にどのような働き方やポジションを目指すべきかを考え、キャリアにおける目標を決めましょう。

3なりたい姿の実現に向けて、3年後、5年後、10年後までにやるべきことを言語化する

10年後の目標が描けたら、10年後にありたい姿と現在の自分との間にどのようなギャップがあるのかを考えてみましょう。

なりたい自分になるために、今の自分には何が足りないのかがわかったら、ギャップを埋めるための具体的な行動計画を立てます。どのような経験やスキルが必要なのか、それらを得るためにどのタイミングで何をするのか、3年後、5年後、10年後の区切りで具体的に考えましょう。

ライフプランを合わせて言語化し、自分が目標に向かって行動できているか確認するようにしましょう。そうすれば、面接でキャリアプランを聞かれたときにも自信を持って答えることができ、選択に直面したときも迷わず行動することができるでしょう。

事務職のキャリアプランの具体例

キャリアプランを描こうとしても、事務職の長期的なキャリアアップについてイメージがわかないという方もいるでしょう。とくに女性の場合は、ライフプランによってキャリア形成の道のりは大きく変わってきます。

ここでは、事務職の女性の3年後、5年後、10年後のキャリアプラン例を4つご紹介します。あなたが目指す将来像に近い例を参考にしてみてください。

なお、これらのキャリアプランはあくまで「自分の中での計画」として記載しています。面接の場で万が一、結婚や出産といったライフプランに関する将来的な質問をされたとしても具体的に答える必要はありません。計画がその通りに進むとは限りませんし、入社後に心境の変化でライフプランが変わる場合もあります。面接の場では、「この会社で長く働き続けたい」という前提で話すだけでよいでしょう。

事務職のスペシャリストとしてキャリアを伸ばす

1つめは、組織の中で事務職としてさまざまな現場を経験し、スペシャリストを目指すパターンです。事務の仕事が好きで一生続けたい人に向いています。事務職としての専門性を高めることで、将来どのような職場でも必要とされる人材になることを目指します。

• 3年後

  一般事務としてオフィス業務全般のスキルを身に付ける。業務時間外にもパソコンスキルの獲得に力を入れ、MOS（Microsoft Office Specialist）のWordとExcelで上級レベルを取得する。

• 5年後

  より専門知識を求められる部署への異動希望を出し、経験を積んで知識・スキルの幅を広げる。スケジュール管理能力やビジネスマナーを磨いて、秘書室への配属を目指す。

• 10年後

  いくつかの部署を経験し、組織の中で事務のスペシャリストとして認められる。経営視点でオフィス業務改善の推進役として活躍する。そのために、オフィス業務のトレンドについて常に情報収集し、知識やスキルをアップデートし続ける。

最終的にマネジメント職にキャリアアップするケース

2つ目は、管理職として組織の中で昇進を目指すパターンです。リーダーとして裁量の大きい働き方をしたい人、収入アップを目指したい人に向いています。

• 3年後

  営業事務として、契約業務や問い合わせ対応、提案資料作成などひと通りの業務を1人でこなし、後輩を指導できるようになる。スピーディーな書類作成、先回りして備えるサポートで、セールス担当者から頼りにされる存在になる。

• 5年後

  営業事務をとりまとめる存在になり、顧客向け勉強会の開催や、業務改善などを推進する。チームの売上向上に対するオフィス業務の貢献を数字として示し、業績評価に繋げる。そのために、業績管理について勉強する。

• 10年後

  リーダー職となり、部門全体の業務設計や人材育成に携わる。40歳までに年収450万以上、貯金1000万を目指し、場合によっては転職も視野に入れる。そのために、実務で経験を積みながら、業務管理や人材マネジメント、リーダーシップなどビジネス知識全般について学び続ける。

仕事と家庭を両立するケース

3つ目は、ライフプランを中心に考えたケースです。産休・育休の取得を視野に入れ、仕事と家庭の両立を目指します。職場復帰後に居場所や役割を確保するためには、早い時期から何らかの資格や専門性を身に付けておくと役立ちます。

• 3年後

  仕事をひと通り覚え、オフィス業務全般のスキルを高める。人事事務として将来的に働き続けるために、とくに労務管理を中心に専門性を高める。将来的に社労士かキャリアコンサルタントの資格取得を目指し、業務時間外にも勉強を続ける。

• 5年後

  社労士またはキャリアコンサルタントの資格を取る。専門性を生かして社内で頼られる存在になり、組織内にしっかり居場所を確保したうえで、産休・育休を取得する。

• 10年後

  産後1年程度で元の部署に職場復帰し、3年後程度明けて第2子を出産する。子どもが小学校低学年までは時短勤務使いながら効率的に業務をこなし、その後フルタイムに復帰。育児経験も生かし、労務管理のエキスパートとしてキャリアアップを目指す。

結婚、出産を機に一時離職するケース

最後は、子育てに専念する期間を取りたい人のパターンです。産後にキャリアの空白期間ができることを見越して、できる限り早期にさまざまなスキルや知識の獲得を目指します。

• 3年後

  できるだけ早期にさまざまな業務を経験する。学生時代に身に付けた英語力や、タイピングの速さ、スケジュール管理能力などを生かし、部署内で積極的に仕事を取りにいく。それと合わせて、Excelスキルを高め、スピーディーに業務をこなせるようになる。

• 5年後

  業務マニュアルの作成や後輩の指導を任せられるようになる。ひと通りの業務をこなすことができ、頼れる事務職として存在感を示す。頼まれる仕事は初めてのものであっても引き受け、必要な知識・スキルをそのたびに身に付けるようにする。

• 10年後

  出産後に退職し、子どもが小学校に上がるまでは子育てに専念する。その後は事務職の経験を生かし、パート社員として週に2~3日、扶養の範囲内で働きながら新たなスキルを獲得する。将来的にはフルタイムの正社員を目指す。

事務職としてキャリアアップするためには資格取得もおすすめ

前章でご紹介したキャリアプランの中にもたびたび「資格」が登場しましたが、キャリアアップに向けて新たな知識やスキルを身に付けるには、資格取得に向けた勉強がおすすめです。資格を獲得できれば、あなたがその知識・スキルを持っていることを客観的に証明できるため、異動や転職の際のアピールポイントにもなります。

こちらの記事では、事務職のキャリアアップに役立つ資格をジャンル別にご紹介しています。あなたが伸ばしたいスキルに合った資格を見つけて、キャリアプランの実現に役立ててください。

マイナビキャリレーションでは未経験からでも事務職にチャレンジできる

事務職としてキャリアを歩み始めたばかりの人や、これから事務職を目指す人にとって「10年後」は遠い未来に思えるかもしれません。しかし、10年後に向けたキャリアプランを考える経験は、転職面接などの対策になるだけでなく、目の前の仕事との向き合い方や今日1日の過ごし方を、より充実したものに変えてくれるはずです。

マイナビキャリレーションでは、大勢の方が無期雇用派遣スタッフとして、未経験から事務職のキャリアをスタートしています。専属のキャリアアドバイザーとの面談を通して、あなたのキャリアプランを一緒に考えることもできます。ぜひご相談ください。