【事務職への転職】面接でよく聞かれる質問と回答例、やっておきたい面接対策
事務職は、特別な資格が必要なく仕事と私生活のバランスもとりやすいイメージから、転職市場で人気の高い職種です。経験者・未経験者とも中途採用への応募は競争率が高いため、転職で事務職を目指すなら面接対策は万全にしておきたいものです。
この記事では、事務職の採用面接でよく聞かれる質問と回答例、採用担当者が見ているポイント、面接前にやっておくべき対策などについて解説します。
目次
事務職の採用担当者は質問の受け答えから何を見ているのか
事務職の面接において、採用担当者はどのようなポイントを重視しているのでしょうか。実は、質問されたことに対して「どんな回答をするか」だけが重要なわけではありません。質問への受け答えを通して、事務職の仕事に必要な能力があるかどうかも評価されます。以下、詳しく見ていきましょう。
理解力があるか
採用担当者が質問の受け答えを通して見ている1つめのポイントは、質問内容を理解する力です。
事務職の仕事では、指示された内容を適切に理解し、スピーディーに処理することが求められます。地頭のよさや、相手の意図を察する力、相手の意図と自分の理解がずれていないかどうかを確認する逆質問のスキルなども問われます。
そのため、事務職の採用面接においては、質問の意図をしっかりくみ取って、質問者の意図とずれのない的確な回答ができるか、スムーズにレスポンスできるかといった点からも、適性が判断されるのです。
コミュニケーション能力があるか
もう1つ、採用担当者が重視している点は、コミュニケーション能力です。
事務職はほかの人の仕事がうまく回るようにサポートする役割が中心のため、日々さまざまな人とのコミュニケーションが発生します。身だしなみや表情、立ち居振る舞いなどの印象管理や、基本的なビジネスマナーはもちろんのこと、人当たりのよさや、細かい気配りができることなども大切です。
面接における質問の受け答えを通じて、話を聞くときの態度や話し方など、就業に必要となる基本的なコミュニケーション能力や、ほかの応募者と比較してコミュニケーション上の優位点があるかなどが見られています。
事務職の採用面接でよくある質問7選
採用担当者の見ているポイントを理解できたら、実際に事務職の採用面接でよく聞かれる質問と、質問のねらい、回答例をチェックしてきましょう。ここでは、代表的な7つの質問について解説していきます。
最終学歴を選んだ理由
大学の学部や学科、専門学校など、なぜその分野を専攻したのかについて聞かれることがよくあります。この質問のねらいは、「学生時代に、自分の将来をどれだけ見据えることができていたのか?」という計画性や先見性を探ろうとするものです。また、学業やサークル活動、アルバイトなど学生生活のエピソードからは応募者の人柄を把握しようとしています。
文学部の日本文学科を卒業されたそうですが、なぜその学科を選んだのですか?
回答例
本を読んだり文章を書いたりすることが好きだったので、より深く学びたいと思って選びました。日本文学を学ぶことでコミュニケーションに対する興味や、日本語を扱うスキルが高まり、所属していたテニスサークルで広報担当をしたり、アルバイト先の書店でポップ作りを担当したりしました。就職後も業務や人間関係のさまざまな面で、大学で学んだことが役立っています。
前職の入社理由、退職理由
キャリア選択の理由についても、面接でよく聞かれます。この質問のねらいは、応募者の仕事に対する姿勢やキャリア観を把握することです。
会社としては、できるだけ長く勤めてくれる人を採用したいと考えるため、前職の退職理由はネガティブな情報も含めて知りたいのが本音です。また、自社にマッチしそうな人材かどうかを見極めるためにも、相手がどういった理由で新しい環境にチャレンジしようと思っているのかを把握しようとしています。
前職の会社を選んだ理由と、退職した理由を教えてください。
回答例
コミュニケーションの分野に興味があり、インターンを経験したことがきっかけで、前職の広告会社に入社しました。営業部門に配属されて大変やりがいは感じていたのですが、残業が多く不規則な生活が続き、その状況を変えるのが難しい社風でもあったため、今後のライフステージの変化に備えてキャリアチェンジが必要と考え、退職しました。
前職の業務内容
面接で採用担当者が前職の業務内容について質問するのは、応募者がどのような経験を積んできたのか情報収集するためです。その人がこれまで頑張ってきたことや、苦労してきたことを把握し、募集しているポジションに適性がありそうか、採用後の仕事に生かせるスキルがありそうかどうかを判断しています。
前職では営業部門に所属していたそうですが、どのような業務を担当していたのか具体的に教えてください。
回答例
前職では、担当の地域についてインターネットで調べたり、街を実際に歩いたりして情報収集をし、主に個人商店向けにWebサイト制作やWeb広告の営業をしていました。電話やメールでアポイントを取ったり、飛び込みで訪問したりすると、冷たくあしらわれることのほうが多いので、最初は辛かったのですが、1カ月ほどで慣れました。相手のニーズに応えるサービスを提供して感謝の言葉をいただいたり、ほかのお客様を紹介いただいたりしたときには、とてもやりがいを感じました。
PCをどのくらい操作できるか
事務職の面接では必ずといっていいほど、PCの操作スキルについて質問されます。質問の意図は、業務で必要とされるPCスキルがあるのかどうかを知ることです。漠然と「使えます」「経験があります」ではどの程度のレベルなのかが伝わらないため、どのような場面で、どのような頻度で使用していたのかなど、できるだけ具体的に応えましょう。
Officeソフト(アプリ)の使用経験と、どの程度のことができるかについて教えてください。
回答例
Excelは学生時代に基本的な操作方法を学び、前職では実績管理や集計など、実務でほぼ毎日使用していました。アンケート調査の集計や分析の経験があり、ピポットテーブルを使ったクロス集計や、vlookupを使ったデータ抽出、グラフや図の作成も問題なくできます。Wordは卒論で使用したため、基本的な書式設定やヘッダーフッターなどのレイアウト設定、目次の使用なども含め経験があります。PowerPointは、前職で提案資料を作成するときなど、日常的に使用していました。既存のテンプレートをアレンジしたフォーマット作成なども経験があります。
電話、メールについて
電話応対やメール処理についての経験についてもよく聞かれます。ここで採用担当者が知りたいのは、どのような相手に対応していたのか、社内か社外か、どのくらいの件数に対応していたのか、電話応対やメール作成に抵抗感がないか、といったことです。できるだけ具体的に伝えましょう。
前職では、電話やメールをどのように使っていましたか?電話応対業務に抵抗感はありませんか?
回答例
前職では電話やメールで営業先へのアポイントをとっていたので、初めての相手と電話やメールでやりとりすることにはまったく抵抗がありません。また、案件を受注すると社内のチームで対応していたので、社内への電話連絡、メール連絡も日常的に行っていました。対応する件数は日によってちがいましたが、多いときには1日に何十件ものやりとりが発生することもありました。顧客と電話でのやりとりで合意・決定したことは、あとで認識のくい違いなどがないように、必ずメールでも連絡するようにしていました。
転職活動の軸
なぜ事務職に応募したのか、今後どのような業務に携わっていきたいのかなど、転職活動の軸についてもよく聞かれます。質問のねらいは、事務職の仕事をどれだけしっかり理解し、明確な理由があって志望しているのか、応募者の本気度を確認することです。
残業が少なそうだから、などの理由で事務職を選ぶ場合もあるかもしれませんが、雇用する側が知りたいのはその人が「しっかり職務を全うし、長く勤めてくれるかどうか」ということです。なぜ事務職というキャリアを選ぶのか、明確な理由を用意しておきましょう。
事務職に応募しようと思ったのはなぜですか?今後経験してみたい業務など、具体的なイメージがあれば教えてください。
回答例
前職で営業職をしていた際、外回りの営業活動よりも、受注後に社内チームと顧客の橋渡しをしながら納品までサポートする過程のほうが、自分の強みを生かせていると感じたためです。スケジュールを引いてタスクを明確にし、複数同時進行している案件の進行管理をしたり、問い合わせに回答したり、書類を整備したりするのが得意です。自分でゼロから1を作り出すよりも、作る人が動きやすいようにサポートすることで役立ちたいと考え、事務職へのキャリアチェンジを決めました。
転職活動の状況
転職活動の状況について、他社も受けているのか、どこまで選考が進んでいるのか、などもよく聞かれる質問です。ここで採用担当者が知りたいことは応募者の本気度や、転職活動に対する一貫性、内定を出すべきタイミングです。
回答時に気をつけなければならないのは、嘘は絶対にNGという点です。たとえ嘘がばれなくても、選考が進む中で発言に矛盾が出てきて評価が下がる可能性は十分にあります。具体的な会社名など何もかもを話す必要はありませんが、他社を受けているのに「受けていない」など、明らかな嘘はつかないようにしましょう。
複数の企業を受けている場合は、他社の選考状況がどうなっているのかが、内定を出すタイミングにかかわってきます。きちんと状況を把握し、優先順位をつけて考えられているかどうか、一貫性を持って計画的な転職活動ができているかどうかで、マルチタスクの処理能力など事務職に必要な能力も見られています。自分に不利にならないような説明をあらかじめ考えておきましょう。
他社にも応募をしていますか?応募している場合は、他社の志望理由や選考状況について教えてください。
回答例
実はほかにも2社応募しており、1社は最終選考まで進み、来週中に結果が出る見込みで、もう1社はまだ書類選考の段階です。いずれも御社と同じ流通業界の事務職で、志望理由は御社と同様です。3社の中では御社の事業の先進性や将来性にとくに魅力を感じているため、もし複数社から内定をいただいた場合には御社を選ぶと決めています。
事務職の面接前の対策
事務職の転職面接でよく聞かれる質問についてイメージできたら、本番でスムーズに受け答えができるよう、事前に対策をしましょう。おすすめの対策を3つご紹介します。
面接練習をする
面接の練習は必ずやっておきましょう。想定される質問を用意して、家族や友人に面接官を演じてもらうのもいいのですが、できればハローワークや転職エージェントなどを活用し、転職のプロを相手に練習をするといいでしょう。他人から質問される緊張感を体験し、場慣れするのに役立ちます。
一貫した回答ができるようにする
面接練習をすると、どの質問はスムーズに回答できて、どの質問は言葉に詰まるかなど、自分の弱い部分も知ることができます。そこで、想定質問と回答を書き出すなどして、それぞれの回答に一貫性があるかどうかを再確認しましょう。そこでもし矛盾点や、転職軸のブレが感じられる点などが見つかれば、どのようにカバーするかあらかじめ考えておくことができます。
ネガティブな要因もポジティブな言葉で伝えられるようにする
想定質問への回答には、どうしてもネガティブな情報が入ってしまう場合があります。たとえば退職理由が「シフト制勤務で体力的にきつく、仕事への責任や人間関係などで精神的にも大変だったため、環境を変えたかった」などの場合です。これをそのままの言葉で伝えると、「ストレス耐性が低いのではないか」「仕事への考えが甘いのではないか」「うちで採用してもすぐ辞めてしまうのではないか」などとマイナスの印象に繋がる恐れがあります。
これを「大変だったから環境を変えたかった」ではなく、「長期的にライフステージの変化を見据えると、早めのキャリアチェンジが必要だと考えた」などとすれば、ぐっと計画的で前向きな印象に変わります。どうしても回答にネガティブな情報が入ってくる場合は、ポジティブな印象を与えられる言い回しをあらかじめ考えておきましょう。
逆質問の準備をしておくことも重要
事務職の面接では、「何か質問はありますか」と、逆質問を求められることもよくあります。採用担当者が逆質問を求めてくるねらいは、応募者の本気度や、仕事への姿勢、人柄などを探るためです。
応募する会社の事業内容や、実際の業務内容について、深く調べたり考えたりしていなければ、なかなか質問は思いつきません。これを聞けば正解という逆質問はありませんが、事前に会社のことをよく調べ、募集要項を再度読み込んで、疑問に思ったことについて質問を用意しておくといいでしょう。
実際に自分が働く場面を想像して出てきた疑問などは、応募者のやる気が感じられ、好印象を与えます。逆に、調べればすぐにわかるようなことや、待遇面など応募者のメリットのみに繋がる質問は避けたほうが無難です。
好印象を与える逆質問の例
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- 中途入社した事務職で、現在活躍している方の共通点などあれば教えてください。
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- 御社が事務職の社員に期待することについて教えてください。
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- 私は現在、ITパスポートの資格取得に向けて勉強をしています。御社の事務職の仕事で、ITの知識を生かせる場面はありそうでしょうか。
事務職の面接について、転職希望者からよくある質問
最後に、事務職の面接について、マイナビキャリレーションが転職希望者からよく受ける質問と、キャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。面接対策で不安がある方は、こちらも参考にしてください。
Q.1事務職未経験ですが、面接の際はそのことを正直に伝えても問題ないでしょうか ?
事務職の経験がなくても問題はありません。素直に伝えるのがよいです。
ただし、事務職を目指して自己研鑽していることや、他分野の仕事でこれまで培ってきた、事務職に生かせそうな経験やスキルがあれば、積極的にアピールしましょう。
ちなみに、マイナビキャリレーションでは、転職希望者の7~8割が事務職未経験から就業に至っています。
Q.2自分の働く場面を想像したいのですが、どんな仕事から任されていくのでしょうか?
ひと口に「事務職」と言っても就業先によってさまざまではありますが、一般的な事務職の仕事として多いのは、データ入力作業や、代表電話の一時受付などです。
業務に必要な書類などのフォーマットや、手順を説明するマニュアルなど、ある程度形が固まってルーティン化している作業から任せられると想定しておくとよいでしょう。
面接で逆質問の機会があれば、担当する業務について直接聞いてみてもいいでしょう。仕事に対する意欲が感じられ、好印象に繋がる可能性があります。
Q.3研修制度について聞いてもいいのでしょうか?
研修制度について質問することは問題ありません。
漠然と「どのような研修制度があるか」と聞くだけでなく、現在自分に不足しているスキルを補充できる研修があるかどうか、どのくらいの期間があるかなど具体的に聞くことで、スキルアップを自分事として捉えていることが伝えられるでしょう。
事務職未経験でもOK! マイナビキャリレーションなら面接対策もできて安心
人気の高い事務職への転職活動を成功させるには、面接対策を万全にしておくことが大切です。この記事を参考に、よくある質問への回答を考えたり、回答の一貫性をチェックしたり、対策を進めてみてください。
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