事務職は将来なくなる仕事?AI時代に活躍できる事務職になる方法を紹介

事務職は就職・転職市場で人気の職種です。しかし、事務職を目指している人の中には、周囲の人から「事務職の仕事はAIに取られる」「将来いらなくなる仕事だからやめておけ」などと言われた経験がある人も少なくないようです。
事務職は本当に将来性がない仕事なのでしょうか。この記事では、事務職がなくなると言われている理由や、事務職として就職するメリット、今後のAI時代にも活躍できる事務職になる方法などをご紹介していきます。
目次
事務職が「なくなる/将来性がない」と言われている理由
どうして事務職は「なくなる」「将来性がない」などと言われてしまうのでしょうか。
その理由は、オフィスワークが急速にIT化され、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などを使った業務の自動化が進んでいるためです。
これまで事務職が担当してきた仕事は、ルールやマニュアルに沿って同じ対応を繰り返すルーティンワークが大半でした。こういった仕事は機械を使って自動化しやすく、いちど自動化のシステムができれば、人間がやるよりも早く・正確に処理することができます。
また、最近ではChat GPTなど生成AIの台頭により、特別なツールや専門的な知識・技術がなくても、業務の自動化ができる環境が整いつつあります。
これらの理由から、事務職は「AIに仕事を取られる」と言われやすいのです。
事務職がなくならない理由
では、本当に事務職は将来なくなってしまうのでしょうか。結論からお伝えすると、その答えはノーです。
事務職に求められる「相手の状況に応じて気持ちや意図を読み取り、臨機応変な対応をする」といったコミュニケーションは、AIの苦手とする分野です。この先技術が進んだとしても、まだまだ事務の仕事に人間が必要とされる場面は残るでしょう。
事務職の仕事の一部がAIなどで自動化されても、100%代替できるわけではありません。事務職に必要な人数が減る、求められるスキルが変化するなどの可能性はありますが、事務職という職種自体は当面の間なくならないと考えられます。
事務職がなくなるという不安を払拭!就職する4つのメリット
仕事のIT化でさまざまな変化に直面している事務職ですが、就職・転職市場で人気が高いのは、それだけ魅力のある仕事だからです。
ここから紹介する4つのメリットを知ればきっと、競争率が高くても事務職に挑戦する価値があると思えるはずです。
汎用的なPCスキルが身に付く
事務職の仕事ではパソコンが必須です。とくにExcel(エクセル)、Word(ワード)、PowerPoint(パワーポイント、パワポ)などを使う機会が多く、オフィスワークで求められる汎用的なパソコンスキルが、普段の業務を通じて身に付きます。
デスクワークで体力的にも中長期で働ける
事務職の仕事は、外回りの多い営業職や、立ち仕事が中心の製造や販売の仕事とは異なり、オフィスでのデスクワークが中心です。体に大きな負荷をかけることが少ないため、体力に自信がない方でも、長く働くことができるのがメリットです。
また、仕事の締め切りはあるものの、営業や販売の仕事のように売上などの数値目標はないため、精神的にもプレッシャーの少ない仕事と言えます。
ライフワークバランスがとりやすい
事務職は社内向けのサポート的な仕事が中心のため、スケジュールの見通しが立てやすく、一般的に残業は少なめです。また、カレンダー通りに土日祝日が休みの職場が多く、家族や友人と予定を合わせやすい点も魅力です。
また、事務職の仕事の多くはパソコンがあれば場所を選ばずにできるため、企業によっては在宅勤務が認められている場合もあります。
子育てや介護と両立したい、趣味に時間を使いたいなど、ワークライフバランスを重視している人にとって、事務職は有力な選択肢となるでしょう。
キャリアの幅が広がる
オフィスワークに初めて挑戦する人にとって、事務職はキャリアを広げるきっかけになる仕事です。事務の仕事を通じて社内外のさまざまな人とかかわることで、自社の会社組織やそれぞれの部署、職種について理解が深まり、キャリアに対する視野も広がります。
事務職として活躍していくための3つの方法
AIの普及などで事務職の仕事が変化していく中でも、事務職として活躍するためには、どうすればいいのでしょうか。
ここからは、事務職として将来にわたって活躍し続けるための、3つの方法をご紹介します。
方法1コミュニケーション能力を磨く
将来にわたって必要とされる人材になるために、最も大切なのは「AIには真似できないスキルを持っている」ことです。それは、コミュニケーション能力です。
マニュアル通りの受け答えならAIにもできます。しかし、相手が発したのが同じ言葉であっても、表情や状況から相手の意図や気持ちを読み取って適切な対応をする、などの高度なコミュニケーションは人にしかできません。
また、人や組織の複雑な関係性を理解しながらアポイントの調整をする、相手の状況に配慮した言葉遣いや声がけをするといったことも、機械には真似のできないことです。世の中のさまざまな業務が自動化されていくからこそ、人にしかできない分野で価値を発揮できるよう、スキルに磨きをかけましょう。
方法2PCスキルを磨く
事務職として活躍するためのもう1つの方法は、パソコンスキルを磨くことです。
定型の文書作成やデータ入力、ファイル整理などの業務は今後どんどん自動化され、効率化されていく傾向がありますが、その際には必ず、事務職の業務を理解し、機械に指示を出してその結果をチェックする人材が必要です。
一般的なパソコンスキルだけでなく、Excelのマクロが組める、マイクロソフトのPower AutomateなどのRPA(※)ツールで業務を自動化できる、Chat GPTなどの生成AIを活用して効率的に業務を進められるなど、ワンランク上のスキルを身に付ければ、事務職として大きなアピールポイントになります。
機械に仕事を取られるのではなく、パソコンスキルを磨いて「機械に仕事をさせる」ことで価値を生み出す人材を目指しましょう。
※RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション):人に代わってソフトウェアロボットが業務を自動化して行う仕組みのこと
方法3正社員での事務職採用を目指す
将来にわたって事務職で活躍する3つ目の方法は、正社員での採用を目指すことです。
限られた期間だけ柔軟に働きたいのなら、非正規雇用で働くのは1つの選択肢です。ただ、事務職として長期的に働きキャリアアップも臨みたいのであれば、正社員を目指すのがいいでしょう。
正社員としての雇用は、安定した収入や充実した福利厚生、キャリアアップの機会が期待でき、長期的に働くことができる環境を整えてくれます。これにより、安心してキャリアを築き、事務職としての専門性を高めていくことができるでしょう。
マイナビキャリレーションでは未経験からでも事務職を目指せる
事務職として正社員を目指したいけれど実務経験がなくて不安な人や、未経験者OKの募集が見つからない、応募してもなかなか採用されないという人には、「無期雇用派遣」という選択肢もあります。
無期雇用派遣とは、派遣会社と派遣スタッフとの間で期間の定めのない雇用契約を結ぶスタイルの働き方です。派遣会社が提供する研修やキャリアアドバイスを利用することができ、未経験でも事務職を目指すことができます。
マイナビキャリレーションでは、多くの先輩が未経験から事務職としてデビューを果たしています。派遣先企業から直接雇用のオファーを受け、正社員採用となって活躍している人も少なくありません。詳しくはこちらの体験談をご覧ください。
よくある質問
最後に、事務職を目指す人からよくある質問と、マイナビキャリレーションのキャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。
Q.1AIの登場により、事務職は本当になくなってしまうのでしょうか?
近い将来、事務職の仕事がすべてAIに取って代わられるということは考えにくい状況です。
Chat GPTなどの生成AIが一般的になってきていますが、現状事務職の仕事でAIに任せられる部分はそれほど多くありません。たとえば、オンライン会議の音声から自動的に議事録を生成する、Excelで表計算をする際に適切な関数を考案してもらうなど、定型の作業や調べものには役立ちますが、最終的には人によるチェックが必要です。
事務の仕事は企業や部署によってさまざまなものがあるため、それをすべてAIに代替させることは現実的ではありません。企業としてもそのような意思決定は難しいと考えられるため、当面の間、事務職がなくなることはないでしょう。
Q.2パソコンスキル不問の事務職はなくなっていくのでしょうか?
昨今の事務職において、パソコン作業は必須と言ってもいいでしょう。まれにパソコンスキル不問の求人はあるかもしれませんが、数としては非常に少ない状況です。
書類整理や電話応対のみの事務など、パソコンスキルを不問とする事務業務がないわけではないですが、昨今の状況を顧みると、今後そういったアナログ作業のみで成立する事務職はなくなっていくことが予想されます。事務職として働くうえでパソコンスキルの重要度はより高まっていくと考えてよいでしょう。
事務職はまだまだなくならない!活躍できる事務職を目指そう
AIが一般的になった現在でも、企業にとって事務職はまだまだ必要とされています。そして、近い将来事務職の仕事がすべてAIに代替されるということも考えにくい状況です。事務職の仕事内容や、求められるスキルは変化していますが、事務職が「なくなる」「将来性がない」ということはないでしょう。
事務職として働くことには多くの魅力があり、目指す価値がある仕事です。ぜひこの記事を参考に、将来にわたって活躍できる事務職を目指して、スキルを磨いていってください。
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