【すぐに使える例文つき】貿易事務の自己PR作成のポイントと手順を解説

貿易事務は、ほかの事務職と比べて貿易に関する専門的な知識や高い英語力が求められるなど、採用ハードルが高い仕事です。と同時に、諸外国を相手に貿易に関わるというやりがいを持って働ける魅力的な職種と言えるでしょう。
そこでこの記事では、貿易事務の仕事内容や平均年収と合わせて、採用担当者に刺さる自己PRの作成手順や自己PRで重視される3つのポイント、すぐに使える自己PRの例文を解説します。
目次
貿易事務の仕事内容と平均年収
自己PRを作成する前に、まずは貿易事務の仕事内容を把握しておきましょう。具体的な仕事内容を理解しておくことで、どんなスキルや経験があると採用担当者に好印象を持ってもらえるか、自己PRを作成するときのポイントがわかるようになります。
貿易事務とは企業等の輸出入の事務手続き全般を担う仕事です。ほかの事務と比べると、貿易の流れや外国為替への理解、外国語の書類を作成できる英語力など、貿易に必要な専門的な知識が求められることが多いのが特徴です。一般的には、以下の業務が挙げられます。
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- 輸出入書類の作成
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- 売掛金の回収・買掛金の支払
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- 通関手続き
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- 出荷物・納品物の管理
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- 倉庫手配
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- 輸送便の手配
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- 電話・メール・来客応対
貿易事務の仕事は海外の取引先や税関とのやり取りが主となるため、海外の言語の理解だけでなく、商習慣や文化の理解も必要です。また、紛争や自然災害などリアルタイムでの世界情勢を把握しておくことも欠かせません。どんな事態が発生しても、その都度、適切かつ柔軟に対応して無事に輸出入ができるようにする能力が貿易事務には求められます。
貿易事務の平均年収は約386万円となっています(2024年11月マイナビキャリレーション調べ)。貿易事務の仕事は高い専門性や英語力、経験が求められるため、事務職の中では比較的給与水準が高くなっています。スキルやキャリア、勤務する企業次第ではそれ以上の年収を得ることも可能です。
貿易事務の自己PRを作る手順

貿易事務として採用されるためには自分の強みやスキルを採用担当者にしっかり訴求できる自己PR文の作成が欠かせません。採用担当者に刺さる自己PR文を作ることで採用の可能性が高まるでしょう。
手順1自分のスキルや経験の棚卸し・自己分析をする
自己PRで貿易事務に必要なスキルや経験があることを効率よくアピールするために、まずは自分のこれまでのキャリアで得たスキルや経験を書き出す棚卸しを行いましょう。
その際は企業名や在籍期間、部署・職種などだけでなく、どんな仕事にどうやって取り組んだのか、そこでどんな気付きがあり、成果(実績・評価)が出たのかなど、できるだけ詳しく書き出すのがおすすめです。また、不満に感じたこと、やりがいを感じたこと、取得した資格なども合わせて書き出します。キャリアを整理し自己分析することによって自分の強みや得意なこと、仕事観などが明確となり、自己PRでアピールすべき部分がわかるようになるでしょう。
貿易事務未経験であっても、これまでのキャリアの棚卸しをすることで貿易事務の仕事にも応用できるスキルや経験を見つけやすくなります。
転職では企業が求めるスキル・経験とのマッチングが重要です。棚卸しと自己分析をすることにより、貿易事務の仕事で発揮できる自分のスキル・経験を明確にしていきましょう。
手順2論理性を意識しながら自己PR文を作成する
論理的思考があることをアピールするために自己PR文は論理性を意識しながら作成しましょう。
まずは棚卸し・自己分析で見つけた自分の強みやスキル・経験の中から特に貿易事務の仕事に必要なものを2〜3点に絞ります。論点が多すぎるとまとまりのない文章となるためです。それをもとに、読み手となる採用担当者が納得できるよう、話の筋道を明確にし、順序だててわかりやすく書きましょう。その際は、自分のスキルや強み、保有資格や実績のアピールだけでなく、それらを生かしてどのように企業に貢献できるかなど、企業との繋がりを意識した文章にすることで魅力的な自己PR文を作成できます。
手順3何度も読み返したりフィードバックをもらいながら添削する
作成した自己PR文は何度も読み直して推敲します。自分1人だけの視点では気づかないこともあるため、ほかの人にも読んでもらって誤字脱字や意味が通じにくいところがないかを確認してもらいましょう。客観的な第三者の意見を取り入れることで、よりわかりやすく伝わりやすい自己PR文になります。
貿易事務への転職|自己PRで重視されるポイント3つ
貿易事務への転職を成功させるために、企業の採用担当者が自己PRの中でも特に重視しているポイントをおさえておくことも重要です。以下、詳しく解説します。
貿易事務に必要なスキルを持っているか
貿易事務に必要なスキルは以下の通りです。
企業が貿易事務に求める7つのスキル
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- 英語を中心とした外国語の読み書き・会話スキル
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- 貿易実務に関する専門知識
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- コミュニケーションスキル
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- パソコンスキル
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- 作業の正確性・スピード
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- スケジュール管理能力
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- 臨機応変な対応力
貿易事務の仕事には語学力や貿易に関する知識が不可欠です。さらに、電話やメールなどを使用して海外や国内の取引先、運送業者、社内の担当者など多くの人と関わる機会が多いため、どんな相手とも円滑な人間関係を築くことができる高いコミュニケーションスキルが欠かせません。
また、貿易書類の作成などパソコンを使って行う業務も多く、文章作成ソフトのWord(ワード)、表計算ソフトのExcel(エクセル)など一般的なオフィスワークで使用されるソフトを最低限使いこなせるスキルも必要です。1つのミスで大きな問題となることも多いことから、作業には正確性やスピードも求められます。
さらに、スケジュール通りに進められる能力や、時差や刻刻と変化する社会情勢、天候などの状況に合わせて、突発的な事態が起こっても柔軟に対応できるスキルは不可欠でしょう。
貿易事務として働くのであれば、これらは身に付けておきたいスキルです。高い評価に繋げるためにも、もし保有しているスキルがあればしっかり自己PR内でアピールしましょう。
貿易事務としての経験や関連する経験があるか
高い専門性が求められる貿易事務の転職では実務経験は大きなアピールポイントとなります。貿易は天候や世界情勢などによって不測の事態が起こることも珍しくありません。その場に即した対応力や調整力は経験によって培われるものも多いため、貿易事務の経験があることは高く評価されます。
貿易事務の経験が無くても、貿易事務に近い業務経験があれば評価されます。営業や通関士など関連する業務経験があればしっかりアピールしましょう。
業務に役立つ資格を保有しているか
貿易事務の仕事に必須の資格はありません。ただし、高い英語力や貿易に関する知識があることを証明する資格を持っていることで企業の採用意欲を高めることができます。
貿易事務で評価される5つの資格
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- TOEIC(TOEIC Listening & Reading Test)
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- 日商ビジネス英語
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- MOS(Microsoft Office Specialist/マイクロソフト オフィススペシャリスト)
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- 貿易実務検定
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- 通関士試験
語学力があることを証明できるTOEICや日商ビジネス英語、WordやExcelなどOffice製品のスキルレベルを証明できるMOSは確実に保有しておきたい資格です。
さらに、貿易に関する実務能力や知識があることを示す貿易実務検定もあると評価されます。貿易実務検定はC級~A級の3種類があり、未経験の方はまずは定型的な貿易業務があることを証明するC級の資格取得を目指すとよいでしょう。
通関士は通関にかかわる手続きを専門に行う資格です。この資格があることで担当できる仕事の範囲も広がります。キャリアアップをお考えの方はチャレンジしてみることをおすすめします。
すぐ使える貿易事務のポイント別自己PRの例文

貿易事務への転職時に役立つ自己PRの作成手順と、採用担当者が重視する3つのポイントを解説してきました。ここでは、そのポイントを踏まえたうえで、貿易事務の自己PRの例文を経験者・未経験者別に紹介します。
経験者向け/輸送管理や貿易書類作成の経験をアピールした例文
私の強みは5年間、商社の貿易事務として培った豊富な経験があることです。当初は北米の業務がメインでしたが、販路拡大に伴いアジアやヨーロッパなど多くの国々との取引も増え、貿易書類作成など、さまざまな輸出入業務に携わってきました。
特に増加した中国との貿易のため、新たに中国語を学び、現地法人等と綿密にコミュニケーションを取ることで、できるだけ正確な輸送管理を心がけました。また、最近は不安定な世界情勢や気候変動の影響でスケジュール通りにいかないことも多かったのですが、関係者とのこまめな連携やスケジュールの調整、代替案の提案など柔軟に対応することで解決し、取引先から感謝されることも多かったです。
今後は、これまでの貿易事務経験で得たスキルや知識を生かし、即戦力として貴社に貢献したいと思います。
経験者向け/社風・傾向への理解をアピールした例文
私の強みはイレギュラーな事態にも柔軟に対応できる対応力です。悪天候などでスケジュール通りに進まないことも多いことから、余裕を持ったスケジュールの組み立て、担当者との細やかなやり取り、代替輸送手段の確保などを常に心がけて業務に取り組んできました。それにより、これまでトラブルになったことや荷主から大きなクレームが来たことはありません。
優れたチームワークを発揮し、お互いにサポートし合う企業文化がある貴社で、私もチームの一員となり、どんな事態にも柔軟に対応できる臨機応変さを生かし、貿易事務として尽力したいと思っております。
未経験者向け/貿易事務に必要なスキルを持っていることをアピールした例文
私の強みは語学力とコミュニケーションスキルです。私は学生のときに海外留学をしており、現在ではビジネス会話レベルの英語を話すことができます。また、どんな人ともすぐに円滑な人間関係を築くことができます。この強みを生かして、アメリカ企業との取引では営業スタッフとして多くの取引に携わり、売上アップに貢献しました。現地の言葉を理解していることの強みを実感し、現在は語学力をさらに高めるために中国語を学んでいます。
特定の地域だけでなく世界中の国々と取引を行っている貴社で、語学力とコミュニケーションスキルを生かして貿易事務として貢献したいと思っています。
未経験者向け/仕事に役立つ資格を持っていることをアピールした例文
私はパソコンスキルとマネジメントスキルに強みを持っています。これまでメーカーの営業事務では、目標達成・業務効率化のために、パソコンを使ってわかりやすい資料を作成し、スケジュール・進捗管理などを行ってきました。それらは営業スタッフからも好評で、社内でも評価されています。現在、「MOS」と「日商PC検定」、「TOEIC650点」を取得していますが、貿易事務の仕事への理解を深めるために、「貿易実務検定」の勉強を始めています。
貴社では、現職で培ったパソコンスキルとマネジメントスキルを生かし、円滑に貿易業務が進められるように最善を尽くしたいと思っております。
マイナビキャリレーションが貿易事務への転職をお手伝い
貿易事務は貿易に関連する各種書類作成や手続き・手配などスムーズな輸出入を行ううえで重要な役割を担う仕事です。高い専門性が求められることから難易度も高くなりますが、世界を相手にグローバルに仕事ができるやりがいのある仕事でもあります。
そんな貿易事務として希望の企業への転職を成功させるためには、採用担当者に響く自己PRが欠かせません。貿易事務として転職を成功させるには、採用担当者が自己PRで重視する3つのポイント「1貿易事務に必要なスキルを持っているか2貿易事務としての経験や関連する経験があるか3業務に役立つ資格を保有しているか」をおさえて、訴求力の高い自己PR文を作りましょう。
貿易事務として働きたいと思った方は、ぜひマイナビキャリレーションにご応募ください。マイナビキャリレーションではビジネスマナーやビジネスコミュニケーション、パソコンスキルについての研修を数多くご用意しています。事務経験がなくて不安に思う方でも安心して貿易事務にチャレンジしてみましょう。
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