事務職の平均年収は?事務職の種類別に給与や業務内容、必要スキルを解説
事務職は、残業が少ない、ライフスタイルの変化に対応しやすいなどのイメージから、とくに女性に人気の高い職種のひとつです。しかし、ひと口に「事務職」と言っても、勤務先の業種や所属部署によって仕事内容や給与は少しずつ変わってきます。
この記事では、さまざまな事務職の種類と平均年収、業務内容や、年収アップのために磨いておきたいスキル・知識について解説していきます。
事務職の平均年収は?
事務職の平均年収は、ほかの社員の補助的な業務が中心の場合、300万~400万前後です。ずいぶん金額に幅がありますが、これは、所属する企業の規模や業務内容、正社員かどうか、性別や経験年数などによって給与の額が変わってくるためです。
事務職の年収は、中小企業よりも大企業、非正規よりも正社員、女性よりも男性、年齢が高く勤続年数が長いほうが、高くなる傾向があります。すべての場合に当てはまるわけではありませんが、より高いスキルや知識を求められ、責任の重いポジションになるほど年収は高くなるのが一般的です。
事務職の仕事内容についておさらい
さまざまな事務職の平均年収について詳しく見ていく前に、まずは、事務職の仕事内容について確認しておきましょう。
事務職の仕事は主に、書類の作成や整理、データ入力や電話応対などです。職場によっては備品管理や、会議・イベントの運営などを行うこともあります。事務職の仕事は「ほかの社員のサポート」が中心のため、会社の業績などに直接影響することはありません。しかし、会社全体の業務がスムーズに回るようにサポートすることで、事務職は会社の業績に間接的な貢献をしています。
事務の種類別にみる平均年収
事務職には、一般事務のほかにも、働く業界や部署によって営業事務、医療事務、貿易事務などさまざまな種類があり、業務内容や求められるスキルもそれぞれに異なります。
ここからは、事務職の種類別に、マイナビキャリレーションを運営するマイナビワークスが保有している膨大な求人データをもとに割り出した平均年収と、それぞれの業務内容、求められるスキル等について解説していきます。
一般事務の平均年収
一般事務の平均年収は約341万円です。
経験年数や、正社員かパート・アルバイトかなどで少しずつ異なりますが、仕事を選ぶ際のひとつの目安にしてください。
業務内容はオフィスワークの基本ともいえる、書類の作成や整理、電話応対・来客応対、郵便物の仕分け・発送などがメインです。特別な資格やスキルが不要で、基本的なパソコン操作やビジネスマナーが身に付いていればこなせることが多いため、未経験から事務職にチャレンジする方にはおすすめです。
ただし、採用の倍率が高いことも多いため、一般事務を目指すなら、コミュニケーション力やパソコンスキルなど、強みになるスキルを伸ばすようにするとよいでしょう。
営業事務の平均年収
営業事務の平均年収は362万円です。
営業事務は、企業の営業部門・営業職の人たちがよりスムーズに営業活動をできるようサポートする仕事です。具体的な業務内容は見積書などの書類作成・処理や、データ入力、電話・来客応対などで、外出や打ち合わせの多い営業職の社員に代わって、顧客など社外の人とやりとりする機会が多いのが特徴です。また、チームの営業効率向上のために、業務改善の提案などを行う場合もあります。
営業事務は、チームの一員として営業活動をサポートし、その貢献が部門の営業成績として目に見える形になるため、やりがいを感じやすい仕事です。営業事務を目指すなら、コミュニケーションスキルを高め、チームで成果を出すために目的意識を持って働くことを心がけるとよいでしょう。
医療事務の平均年収
医療事務の平均年収は307万円です。ほかの営業職と比べてやや低めですが、医療事務にはパート・アルバイトや派遣社員として働く人が多いため、平均年収に影響している可能性があります。正社員にこだわらず、ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方をしたい方には、医療事務は有力な選択肢となるでしょう。
医療事務の仕事には、受付・会計業務のほか、患者さんと医師・看護師との橋渡しをする「外来クラーク」「病棟クラーク」の仕事、各種保険組合に診療費用の請求を行うための診療報酬明細書を作成する「レセプト業務」などがあります。患者さんやその家族とコミュニケーションする場面が多いため、一人ひとりに合わせたコミュニケーションができるスキルや、患者さんの不安に寄り添うことができるホスピタリティが求められます。
医療事務の仕事をするのに特別な資格は必要ありませんが、現場で必要とされる知識を体系的に身に付けるには、医療事務系の資格取得などにチャレンジするのもよいでしょう。
貿易事務の平均年収
貿易事務の平均年収は387万円で、ほかの事務職と比べてかなり高めの給与水準となっています。その理由は、貿易事務は補助的な業務というよりも貿易実務の最前線ともいえる仕事で、貿易に関する専門知識や英語力が必要とされるためです。
貿易事務の主な仕事は、輸出・輸入にかかわるさまざまな書類の作成と手続き、輸送や通関の手配、出荷・納品管理などです。また、電話やメールによる取引先とのやりとりも多く発生します。貿易事務で扱う書類の多くは英語で書かれており、電話やメールでのコミュニケーションも英語をはじめとする外国語で行われます。
語学力を生かして仕事をしたい人、仕事を通じて語学力を磨きたい人、グローバルな仕事に携わりたい人に、貿易事務はおすすめの仕事です。
学校事務の平均年収
学校事務の平均年収は332万円です。
学校事務とは小中学校や高等学校、大学、専門学校といった学校や教育機関で働く事務職のことです。国公立の学校で正規職員として働くには、公務員試験に合格する必要があります。公立か私立かなど学校の運営母体や、市立の場合は学校法人の規模、正規職員か派遣やパート・アルバイトかといった雇用形態によって、少しずつ給与水準は異なります。
学校事務の特徴は、学生・生徒とのコミュニケーションが発生する機会が多いことと、小中規模の学校であれば文書作成や電話・来客応対などのほかに、経理、人事、広報、総務といった多様な業務をオールマイティにこなす必要があることです。
学校事務は人気があり、競争率の高い仕事でもあります。未経験から目指す場合は、これまでの仕事で培ったスキルをアピールすると共に、資格取得などにも積極的にチャレンジするとよいでしょう。
総務事務の平均年収
総務事務の平均年収は368万円です。
総務事務は、簡単に言えば総務部の仕事にかかわる事務を担当する仕事です。総務部の仕事としてイメージしやすいのは備品の管理や発注、オフィス・設備の管理ですが、企業によっては法務や人事、経理、広報、秘書などの仕事を総務部の中で担っている場合もあり、幅広い業務が想定されます。
総務事務は、会社全体の業務をスムーズに回すために、社内外のさまざまな関係者とやりとりする仕事です。人前で目立つよりも裏方として、機転を利かせながら人の役に立つことに喜びを感じる人には向いているといえるでしょう。
人事事務の平均年収
人事事務の平均年収は404万円です。
人事事務とは、企業の人事部に所属して、採用や労務管理、給与支払いなど人事が担当する仕事をサポートする事務職です。主な業務は労務管理にかかわる書類作成や手続き、給与計算や支払い、社員情報の管理などです。業務の性質上、書類の内容や処理のタイミングなど非常に高い正確性が求められ、社員とのやりとりが多いためコミュニケーション能力も重視されます。
人事事務の仕事をするのに特別な資格は必要ありませんが、「社会保険労務士(社労士)」という国家資格を取得すると、業務に役立つ知識が得られ給与面での優遇も期待できます。また、人事事務の仕事で身に付く労働や雇用、社会保険などに関する知識は、人事のプロフェッショナルとしてのキャリアアップにも役立ちます。将来的に人事系の仕事を目指したい人には、適した仕事と言えるでしょう。
年収アップのために、事務職が磨いておきたいスキルや知識
さまざまな事務職の年収と仕事内容、求められるスキルについて理解できたでしょうか。最後に、事務職として年収アップを目指すためにやっておきたいことを、知識・スキルの面から3つご紹介します。
取得手当のある資格を取得する
最も確実な年収アップの方法は、手当の支給が期待できる資格を取得することです。資格手当の対象となる資格は会社ごとに異なるため、まずは自社や応募先の企業でどのような資格が手当の対象となっているか調べてみてください。
もし自社で事務関連の資格が手当の対象となっていなくても、将来自分がやりたい仕事に役立つ資格であれば取得しておいて損はないでしょう。転職時に資格を生かして年収アップを実現できる可能性もあります。事務職におすすめの資格はこちらの記事を参考にしてください。
PCスキルを向上させる
PCスキルの向上も、事務職の年収アップに役立つ可能性があります。Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリの基本的な操作は事務職に必須ですが、たとえば「ブラインドタッチをマスターしていてスピーディーかつ正確なデータ入力ができる」「Excel業務を自動化するマクロ(VBA)を組むことができる」「PowerPointで洗練されたデザインの資料を作成できる」などワンランク上のスキルを身に付けていると、評価が高まる可能性があります。転職時の自己PRにも有効でしょう。
社内のコミュニケーションなどを円滑にまとめあげる
事務職の採用で企業が最も重視しているのは、実は「コミュニケーションスキル」です。そして、事務職の人事評価はコミュニケーション能力が高いかどうかで大きく変わります。あなたがうまくアシストすることで社内コミュニケーションが円滑になれば、組織に欠かせない人材として認められるでしょう。
基本的なビジネスマナーを身に付けていることはもちろんですが、組織内の人間関係を理解し、相手の状況を見ながらうまく先回りして動ける人は、給与アップも夢ではないかしれません。
事務職へのキャリアアップは、無期雇用派遣がおすすめ
事務職の年収は、企業の規模や担当する業務内容、雇用形態のほか、スキルや経験、専門性などで変わります。事務職は人気が高く、求人の競争率が高い仕事ですが、「無期雇用派遣」を利用すれば未経験からでもチャレンジは可能です。専属のキャリアアドバイザーがあなたの希望や強みに合った派遣先を紹介しますので、安心して働けるでしょう。マイナビキャリレーションには充実した研修制度もあるので就業前に必要なスキルを身に付けることもできます。
これから事務職を目指したい方は、ぜひご相談ください。
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