【事務職への転職】履歴書の正しい書き方と、志望動機/自己PR例文集

事務職への転職活動を始めるとき、最初に作る書類は「履歴書」です。転職活動用に作る履歴書は新卒のときとどうちがうのか、志望動機や自己PRにはどんなことを書くべきかなど、とくに初めての転職では迷う場面がたくさんあります。
この記事では事務職への転職を考えている方へ向けて、履歴書の正しい書き方をサンプル付きで解説します。事務職の種類別に志望動機と自己PRの例文も集めたので、参考にしてください。
事務職の履歴書の記入見本と正しい書き方
ここからは、履歴書の各項目の正しい書き方を、サンプルとあわせて紹介します。履歴書には決まった形式と正しい書き方があります。指定された内容を正しく、抜けもれなく、ビジネスマナーを守って書くことが大切です。
履歴書を書くときは、以下のポイントを常に意識しましょう。
履歴書を書くときのポイントとルール
- 事実を書く(嘘をつかない)
- 必ずすべての項目を埋める(空欄を作らない)
- 書いた後は念入りに見直しをする(誤字脱字は絶対にNG)
- 文字の大きさや文字数は、読みやすさを優先して調整する(詰め込むのはダメ)
- 手書きで作成する場合は、可能な限りていねいに書く
厚生労働省様式の履歴書テンプレート

履歴書の記入見本

1日付(提出日)の正しい書き方

履歴書に記入する「日付(提出日)」は、履歴書に記載された内容が「どの時点」のものかを示します。できる限り最新の情報を伝えたほうがよいので、履歴書を郵送する場合は「発送日」、データで提出する場合は「送信日」、面接で手渡しする場合は「面接当日」の日付を入れましょう。
なお、「年」を4桁の西暦で書くか、和暦(平成○年、令和○年)で書くかについては、履歴書全体で統一されていればどちらを選んでも問題ありません。ただし、元号(例:令和)を「R」「令」などと省略して書くのはNGです。
日付(提出日)の書き方のポイントとルール
- 履歴書を郵送する場合は「発送日」、データで提出する場合は「送信日」の日付を記入する
- 面接時に手渡しで提出する場合は「面接当日」の日付を記入する
- 西暦、和暦は履歴書全体で統一する
- 元号の省略はNG
2氏名・生年月日

原則として「氏名」は戸籍に登録されている漢字を記入します。普段は略字で書いていても、履歴書などの正式な書類では正しい漢字を使いましょう。パソコンで作成する際は変換ミスに注意が必要です。
なお、データで履歴書を提出しなければならない場合、旧字体などの漢字が入力できなかったり、文字化けしたりすることがあります。その場合は、入力可能な字体で氏名を入力して提出し、後日紙の書類を提出する際に、戸籍に登録されている正しい字体で書いて事情を伝えてください。
前述のとおり、「生年月日」の「年」は履歴書全体で西暦、和暦のいずれかに統一します。「年齢」は、「日付(提出日)」の時点での「満年齢」を記入します。履歴書を作成した日と実際に提出する日の間に誕生日を迎える場合などは、注意しましょう。
氏名・生年月日の書き方のポイントとルール
- 「氏名」は原則として、戸籍に登録されている正しい漢字で記入する
- 「生年月日」の西暦、和暦は履歴書全体で統一する
- 「年齢」は「日付(提出日)」時点での満年齢を記入する
3写真

写真は履歴書の中で最初に目に入る要素です。写真から受ける第一印象で損をしないよう、ビジネスマナーを守った身なりで、信頼感を演出しましょう。写真で個性を出す必要はありません。
フォーマルな写真なので自撮りは避けて、写真館またはスピード写真(証明写真ボックス)など、整った環境で撮影しましょう。「ビジネス書類における証明写真」であることを意識し、ルールに則って撮影、貼付することが大切です。
証明写真のポイントとルール
- 基本的なサイズは縦4cm×横3cm(履歴書や応募企業による指定を優先する)
- 3ヵ月以内に撮影したものを使用する
- しっかりと顔が見えるようにする(目元が隠れるような髪型はNG)
- 正面を向き、歯を見せず明るい表情で撮影する(目つぶりや、歯を出した笑顔はNG)
- 背景は白、グレー、青の3色から選ぶ
- フォーマルなビジネスウェアを着用して撮影する
4住所・連絡先(メールアドレス・電話番号)

履歴書の「現住所」の欄には、「日付(提出日)」時点での住所を、都道府県からすべて記入します。「丁目」「番地」「号」などは住民票に記載されている正式な表記で記入し、アパートやマンション名も省略せずに書きましょう。「ふりがな」欄には住所の町名までと建物名のふりがなを記入します。
また「メールアドレス」と「電話番号」は、確実に連絡が取れるものを優先して記入します。ただし、現職の企業から支給されている携帯電話の電話番号やメールアドレスを書くのはNGです。業務用に企業から支給さているものをプライベートで使用するべきではないため、ビジネスパーソンとしての常識を疑われてしまいます。
住所・連絡先(メールアドレス・電話番号)の書き方のポイントとルール
- 「現住所」には「日付(提出日)」時点での住所を省略せずに記入する
- 「ふりがな」は住所の町名までと建物名に対して記入する
- 「メールアドレス」「電話番号」は確実に連絡が取れるものを記入する(現職で支給されているものはNG)
5学歴・職歴

履歴書の中でメインの要素といえるのが「学歴・職歴」欄です。採用担当者が最も注意深くチェックする内容なので、しっかりとルールを守って、ていねいに記入しましょう。
学歴・職歴の書き方のポイントとルール
- 「学歴」「職歴」は見出しをつけ、分けて記入する
- 「年」の西暦、和暦は履歴書全体で統一する
- 「学歴」の学校名は省略せずに正式名称を記入する
- 「学歴」は原則として高校入学から記入する
- 「職歴」の企業名は省略せずに正式名称を記入する
- 「職歴」にはスペースが許す限り、配属先も記入する
- 退職歴は「一身上の都合により退職」と記入する
- 在職中の場合には、「職歴」の最後に「現在に至る」と記入する
- 「学歴・職歴」欄の最後は「以上」で締めくくる
6免許・資格

履歴書の「免許・資格」欄は、知識やスキルに関する客観的な情報を盛り込める要素です。自動車の運転免許はもちろん、応募企業での業務に関連する資格があれば積極的に記入しましょう。
免許・資格の書き方のポイントとルール
- 免許・資格の名前は省略せずに正式名称を記入する
- 「年」の西暦、和暦は履歴書全体で統一する
- 「取得」「合格」などを免許・資格に合わせて記入する
- 運転免許を上部にまとめて記入する
- 最後に右寄せで「以上」と記入する
- 免許・資格を保有していない場合は空欄にせずに「特になし」と記入する
7志望動機・自己PR
履歴書の「志望動機・自己PR」欄は、自由度が高く、ほかの人と差をつけやすい要素です。自分が伝えたいことをただ書くのではなく、相手が何を知りたいのか、どのような書き方をすればわかりやすく伝わるかを考えながら書きましょう。
志望動機・自己PRの書き方のポイントとルール
- 不自然な余白が残らないよう文字数を調整する
- 読みやすさを重視して文字の大きさ、文字数を調整する
- 改行を上手に活用する、見出しをつけてもよい
- ほかの会社ではなく、応募企業を志望している理由を書く
- 入社後に携わりたい業務や実現したい働き方を具体的に書く
- 入社後の業務に役立てられるスキルや経験を書く
- スキルや経験は裏付けとなるエピソードと共に書く
8趣味・特技
履歴書の「趣味・特技」欄は、箇条書きなどで簡潔に書くことをおすすめします。興味・関心や人柄を伝える欄なので、正直に自分の好きなこと、得意なこと、面接で話題のきっかけになりそうなことを書くとよいでしょう。もし、応募企業で想定される業務に関係のある趣味や特技があれば、積極的に記入しましょう。
趣味・特技の書き方のポイントとルール
- 不自然な余白が残らないよう文字数を調整する
- 読みやすさを重視して文字の大きさ、文字数を調整する
- 箇条書きなどで簡潔に記入する
- 面接で質問されても迷わずに回答できるものを記入する(背伸びはNG)
- 応募先の業務に関係するものがあれば優先して記入する
9本人希望記入欄

履歴書の「本人希望記入欄」は、入社や業務の遂行にあたって絶対に譲れない条件を記入するスペースです。特に強い希望がないのであれば、「貴社規定に従います。」とだけ記入しましょう。
希望する年収や勤務地を記入すると、「それ以外の条件では絶対に働かない」という強い意思表示として受け取られ、選考時に不利に働いてしまう場合があります。どうしても譲れない条件がある場合以外は、記入しないほうが無難です。
本人希望記入欄の書き方のポイントとルール
- 絶対に譲れない条件のみを記入し、調整や交渉が可能な条件は安易に記入しない
- 特に希望がなければ「貴社規定に従います。」と記入する(空欄にはしない)
事務職の履歴書で差がつくポイント
書くべき項目が決まっている履歴書ですが、企業研究や自己分析をしっかり行い、よく考えて書くことで、採用担当者に与える印象は大きく変わります。ここでは、ライバルに差をつける、履歴書作成のポイントをご紹介します。
企業担当者の視点になって作成する
最も大切なのは、企業の採用担当者の視点になって作成することです。単に必要事項を埋める、自分がアピールしたいことを書くだけでなく「相手が知りたいこと」を「相手が読みやすく、理解しやすいように」書きましょう。
採用担当者が知りたいのは、企業が求める人材像とあなたがマッチしているかどうか、採用したら長く働いてくれそうかどうかということです。また、採用担当者は日々数多くの履歴書を見る必要があるため、できるだけポイントをわかりやすく書いたほうがしっかり読んでもらえます。
独りよがりの内容にならないように、常に客観的な視点を意識して書きましょう。
なぜ事務職か?なぜその企業を選んだのかを詳しく記載する
実務未経験で事務職に応募する場合はとくに、事務職という仕事をしっかり理解したうえで、なぜ事務職を目指すのかという理由を志望理由に書きましょう。
また、たとえあなたがその会社の事業内容よりも「事務職」という条件に惹かれて応募するのだとしても、志望理由には「なぜその企業か」という動機も記載しましょう。
そのためには、企業研究が欠かせません。企業のWebサイトなどで会社の理念や事業内容、代表のメッセージなどを確認し、どのような会社なのかを理解しましょう。そのうえで、自分が共感した点や印象に残った点と志望理由を関連付けて書くとよいでしょう。
自分の客観的な評価を数値として記載する
自己PRに前職での取り組みの成果や、自分のスキル、強みなどを書くときは、できるだけ客観的に証明できる情報を入れましょう。最も説得力があるのは「1日〇件を1人で処理した」「作業時間を〇%削減した」といった数値情報です。数値として示せる成果がないか、探してみてください
種類別!事務職の志望動機/自己PRの例文
履歴書の中で最もライバルに差をつけやすいのが「志望動機/自己PR」です。学歴や職歴からは読み取れない応募者の人となりがうかがえるため、採用担当者からの注目度が高い項目でもあります。
とはいえ、応募する側にとっては、内容の自由度が高いからこそ何を書けばよいのか迷いやすい項目です。まずは、自分が応募する事務職の志望動機/自己PRの例文を見て、参考にしてみましょう。例文を下敷きに、自分の経験やスキルに合わせて内容を入れ替えれば、簡単に文章を書くことができます。
一般事務の志望動機/自己PR
営業事務の志望動機/自己PR
医療事務の志望動機/自己PR
貿易事務の志望動機/自己PR
学校事務の志望動機/自己PR
経理事務の志望動機/自己PR
人事事務の志望動機/自己PR
よくある質問
最後に、事務職への転職希望者からよくある履歴書に関する質問と、マイナビキャリレーションのキャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。
Q.1履歴書と職務経歴書の違いはなんですか?
履歴書は、応募者に関する基本情報を記載して提出する書類で、新卒・既卒、正社員・アルバイトを問わず、求人に応募する際には必要となります。職務経歴書は、「職務経歴」を詳しく記載する書類で、転職活動の際に自分の経験やスキルを伝えるために提出します。
履歴書には厚生労働省が指定する様式があり、ほかのメーカーなどが作っている履歴書の記載内容もほぼ同じです。職務経歴書は決まった書式がなく、個人が自由な形式で作成することができます。
Q.2事務の実務経験がなくとも、事務職にチャレンジできますか?
未経験者OKの求人であれば、事務職としての就業実績がなくても応募できます。
前職が事務職以外の職種であっても、そこで身に付けたスキルや経験が事務職に役立つ場合もあります。たとえば売上の記録や、日報の作成などでパソコンを業務で使用した経験、接客業で身に付けたコミュニケーションスキル、会計など数字を扱った経験、在庫管理や品質管理など、管理業務に関わった経験などです。
こういった経験やスキルを、志望動機や自己PRなどでもアピールできるとよいでしょう。
履歴書の書き方に迷ったら、プロのアドバイスを生かそう
履歴書は、応募先企業とあなたとの最初の接点になる大切な書類です。応募先企業の事業内容や、先方が求める人材像をしっかり理解し、ていねいに作成しましょう。
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